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GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり
第6話 それぞれの思惑
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イン」という人造人間も軍用に実用化しているそうだ。

つまり技術進歩と倫理観がこの世界と異なる訳だ。ジュガノフはこんな世界と国交を持っても後々、とんでもないデメリットを招くだけだと考えていた。


ジュガノフとしては『門』が開いた当初、資源輸出国の自国の発言力低下を恐れたがある意味覇権的ともいえるショッカーの行動に安心感をおぼえていた。万が一、日本が特地に根を下ろそうとすればショッカーは当然、抗議するだろう。そうなれば日本は特地を巡ってショッカーと対立し、特地の資源開発どころではない。

「まぁ変にショッカーと我が連邦が対立してもメリットはないしな。我が連邦は静観させてもらおうか……。特地よりチェチェンやウクライナの方がよっぽど我が連邦にとってやっかいだ。」

ジュガノフは空になったグラスにもう1度、ウォッカを注ぎ始めた。



中華人民共和国 北京


北京の道路を一台のベンツが走っている。その車内では眼鏡を掛けた大柄な男とその秘書が話をしていた。


「全く、ショッカーのせいで当初『門』に関る工作を全て白紙に戻さなくてはいけなくなったじゃないか。」

「腹立たしい限りです。(トウ)徳愁(トクシュウ)主席。」

その男、中国国家主席である薹徳愁は不満を漏らしていた。彼の思惑としては国内の膨れ上がった人口とエネルギー需要に対応するために可能ならば、移民を特地に送り出し、第二の中国を作りたいと考えていた。だがショッカーという、日本、帝国と続く、第三の勢力があらわれたことによって状況は一変する。
仮に国連や日本が特地に中国移民を送ることを賛成してもショッカーが反対すれば意味がない。ショッカーは中国移民がくる前にこちら側の『門』を破壊するだけで済むのだ。

「ともかく、日本とショッカーが友好ムードを築くのはマズい。日本にはショッカーとの共闘を制限するように工作したまえ。そしてあわよくば、我が国がショッカーの進んだ技術を獲得し、この世界で独占するのだ。」

その後、中国政府は秘密裏に日本のマスコミや自衛隊に送る工作員の数を倍に増やした。



ドイツ連邦 ベルリン 連邦首相府


「一体いつまで続くのよ!!」

ドイツ初の女性首相のメロケルは余りの事態に焦り、部下に問いただす。
3日ほど前からベルリンを含むドイツ国内のあちこちで暴動が発生していたからだ。

「メロケル首相!ベルリンの機動隊から救援要請!!」

「だから!!何でこうも安々と機動隊が負けるのよ!?」

「暴徒の人数が多すぎるからですよ!」

これだけに留まらず、首相の元に各地からも応援・救援要請が立て続けに舞い込んでくる。

「ミュンヘンから応援要請です!ミュンヘンの難民施設の前で暴動が発生し、火災により建
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