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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
揺籃編
第二十話 新たな戦いへ
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て余りある資質がある、という事の証なんだ。下士官の昇進、降任については統合作戦本部の専権事項だが、士官への昇進、士官の降任については国防委員会の人事局が決定権を持つ。その中でも将官推薦者については、将官と同じように履歴書も考課も国防委員長まで直接報告が行くんだ。…まあこれは、さっき聞いて俺も初めて知ったんだがな。知り合いによると、お前さん達の事は国防委員会でも有名らしいぞ」
「なんて事だ」
「…何て事だ、なんて言ってる場合ですか先輩。私としては、改めて将官推薦者を追い抜くという目標が出来たからいいのですが」
「フォークの言うとおりだぞウィンチェスター。ドーソンがフォーク達にハッパをかけた理由が分かったよ。国防委員長まで報告があがっているとすれば、将官は置いておくとしてもだ、お前さん達は大尉でありながら、どの佐官よりも統合作戦本部長の椅子に近い事になる。大変だぞこれは」
「あ〜あ、お前ら大変だな…ハタチで大尉、更に佐官を敵にまわすのか…普通の士官学校出身者でよかったよ俺」
「そんな事言うのホントにやめて下さいよアッテンボロー先輩…」


 キャゼルヌ邸を出ると、フォークとスールズカリッターは実家に顔を出して来ますと言って俺達と別れた。
…いきなり大尉というのはちょっと想像の度合いを越えている。
将官推薦者は士官学校の成績とは関係なく昇進序列が最上位、くらいにしか考えてなかった。それだけでも充分すごい事なんだけど。しかもだ、国防委員長まで直接報告があがると言うことは、確実に降任はないといってもいい。自分で考課表を見ているのだ、降任させると国防委員長自身の資質を問われかねない。非の打ち所の無い(?)大失敗をやらかさない限り更迭もないだろう。
「こりゃあ本当に大変だぞ。大尉だぞ大尉」
「オットー…今更ながら巻き込んで済まないな、二人共」
「俺は充分楽しんでるけどな。気にする事ないぜヤマト。オットーも気にしすぎだぞ」
「だけどなあ」
「いいじゃねえか。大尉おおいに結構。階級に見合った成果を出せばいいんだろ?」
「気楽だなあマイクは。連隊に戻ったら中隊長だぞお前」
「余裕余裕。俺達は十八で一等兵曹だった。オットー、正直、やれると思ったか?」
「…キツかったな」
「同じような経験をまたするだけさ。佐官を敵にまわす?上等じゃねえか。キャゼルヌ中佐とヤン少佐は別枠だけどな」
「…何だかよく分からないが、とにかくすごい自信だな」
「ああ。オットーは自信ないのかよ?」
「…まだ分かんねえよ」




宇宙暦790年3月24日 バーラト星系、ハイネセン、テルヌーゼン市、自由惑星同盟軍士官学校
大講堂 ヤマト・ウィンチェスター

 “卒業生、宣誓”
「はい!…私は我が国の自由と独立を護る自由惑星同盟軍人としての使命を自覚し
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