揺籃編
第二十話 新たな戦いへ
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は第二艦隊だったな」
「ええ。私は駆逐艦の射撃管制やってます。駆逐艦は楽しいですよ」
「そうなのか?」
「艦長ならもっと楽しいんでしょうがね。イメージ的には図体のでかい単座戦闘艇ですから、小回りは利くし、すばしっこいし、やりようによっちゃ戦艦も喰えます。それに、大所帯じゃないって事が素晴らしい」
「そうか。で、ウィンチェスター、お前さん達の配属は決まったのか?もう発表される頃だと思うが」
「マイクはローゼンリッターに戻ります。連隊付で士官学校に入ってますから。私とオットーは…」
「なんだ、配属先の嫌な噂でも聞いたのか?」
「いえ、そういう訳ではないのですが、私とオットーはエル・ファシルに戻る事になりました。昨年再編の終了したエル・ファシル警備艦隊に配属されます。ところで中佐、お聞きしたいのですが」
「ん、なんだ?」
「ドーソン教官に嫌みったらしく言われたんですが、我々は卒業すると大尉なのだそうですが、本当ですか?」
「そうなのか?俺も詳しくは知らんのだ。将官推薦者自体がいなかったからな。まあ…現役の教官でもあるし、あのドーソンがいうのなら本当だろうな」
「嫌ですよ、士官としての経験もないのにいきなり大尉だなんて」
「…国防委員会に聞いてやろう。少し待っといてくれ」
「あ…ありがとうございます」
「こいつは驚いたな。もうお前に抜かれるなんてな。嫌みじゃないぞ、将官推薦って本当にすごいんだな」
「よして下さいよアッテンボロー先輩」
”先輩、本当に知らなかったんですか?てっきり知ってると思ってましたが“
「フォーク、お前知ってたのか?」
「我々の学年では有名でしたよ、ドーソン教官にやたらとハッパをかけられましたからね。下士官風情に負けてどうする!あいつらは卒業したら大尉なんだぞ!って。まあ、詳しくは教えてくれませんでしたし、お前に言われたくはない、って反応が殆どでしたが」
言ってくれればよかったのに…でもそれを知っていたから、しつこく絡んで来たのか…。
確かに自分達は少尉任官なのに、俺達は大尉じゃ、この野郎!ってなるだろうな。なんて制度だよ全く…。
あ、キャゼルヌさんが書斎から戻ってきた。
「おう、待たせたな。国防委員会人事局の知り合いに聞いてみたよ。将官推薦者にも二種類いるらしい。軍以外の人間が推薦を受けた場合は中尉任官、現役軍人が推薦を受けた場合は大尉任官なんだそうだ。おめでとう、ウィンチェスター。バルクマンも、ダグラスも。本来、昇進というものは内報が出るまで本人には知らせちゃいかんのだが、もう知ってしまっているからな」
「…ありがとうございます。しかし何故大尉という階級なのですか?」
「将官推薦というのは本当に特別なんだ。確かに士官としての勤務経験、実績はない。しかしそれを補っ
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