ifとか短編
if:Diary_Alouette's Good Day
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その二人が、うらやましかったんじゃの。自分の気持ちを自分の言葉で歌にすることが出来る…」
「はあ…」
「そういえば!昔、儂が愛した人間の娘も歌を歌うのが好きじゃった。あれは…まだ儂が船乗りをしておったときのこと…」
「はあ…」
アルエットの反応が段々と悪くなっていくことに気付かずにアンドリューは話を進めていく。
「確か…」
「お爺ちゃん!」
アルエットは大声を出して脱線した話を止めた。
「あ?おお。話が逸れちまったの。二人が歌を聞かせておったところまでじゃったかの。しばらくして、レプリロイドの警備隊が組織されることになって、儂は学校の先生をやめなければならなくなったんじゃ。イレギュラーの犯罪が多くなったとかで警備を強化しないといけないというのが理由だ。」
「うう…もうー。だから、名前はー?」
「来る日も来る日も辛い警備の仕事に追われ、やがて儂はその二人のことを忘れてしまった」
アルエットが疲れたような表情を浮かべた瞬間、近くの扉の開閉音を聞いて振り返ると、ゼロを見つけるアルエット。
「あっ…ゼロー!」
ゼロに走り寄るアルエット。
後ろでアンドリューの会話が延々と続く。
「何年か経ってから、たまたま応援で駆けつけた警備の現場で、その二人にわしゃ再会したのじゃ…」
「えっと、シエルお姉ちゃんのとこにいるベビーエルフさん達に名前をつけてあげようと思って。ね、ゼロはどんな名前いいと思う?」
「さあな」
ベビーエルフに対して関心を持たないゼロからの返答は素っ気ない。
実際にゼロの…特に過去のゼロを知る者からすれば子供とまともなコミュニケーションを取っていることは驚きに値するものである。
「えー。ちゃんと考えてよー!」
「俺にそんなことを聞いてどうしようって言うんだ?何故そこまでベビーエルフに拘る?」
「だって、いつまでもベビーエルフさんじゃ可哀想だし…あの二人…双子みたいで可愛いんだよ?あんなに可愛いんだから名前をつけてあげないと可哀想だよ。」
「………」
「ねえ、ゼロ。あの二人にピッタリな名前はないかな?ゼロの昔のお友達に双子さんとかいなかったの?」
アルエットもゼロが記憶喪失なのは知っているが、もしかしたら思い出しているかもしれないと思って尋ねた。
「双子…」
その言葉を呟いた直後に微かに脳裏を過ぎる過去。
双子の兄妹…自分にとってとても大切な二人だった。
兄の方とは時にはミッションで共闘し、そして妹の方とは心を通わせた。
ほとんどノイズまみれだが、最後に映った映像は…彼女の人工血液によって真っ赤に染まった自分の手…。
「…ロ…ゼ……ロ……ゼロ?」
「っ…」
ハッとなっ
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