ifとか短編
if:Diary_Alouette's Good Day
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相応しいのだろうが、幼いアルエットには少し難しく、堅苦しいイメージがあった。
「…ちょっと難しいかも。」
「あ、それだったら…プラスとマイナスでもいいんじゃない?」
冗談で言うジョーヌだが、アルエットはそう受け取らなかったらしく、ショックを受ける。
「ええー!?」
「あっ、冗談冗談!」
「あ、あの!そういう難しいのよりも昔の本にあるような…」
ベビーエルフはあんなに可愛らしいのだから難しいものではなく可愛らしい名前にしたい。
「本!ああ…人間の使う旧世代記録媒体ですね。それでは…クライムとパニッシュはどうでしょうか?十九世紀ロシアの文豪ドストエフスキーの代表作、罪と罰からです。推理、心理、恋愛的要素を内包した宗教的な影響が色濃く窺える文学としてではなく、当時のロシア社会主義、そして、未来社会に向けての刑訴の作品、啓蒙的思想書ともいえる本作のタイトルは、無神論革命思想に基づく殺人行為による魂の救済はあらゆる角度でテーマをコントラストに鮮やかに表現して…」
ルージュの説明が延々と続くが、それはアルエットの理想とは程遠いものであった。
「あ…あの…あ、あんまり可愛くないです…。」
「あっ、可愛いのだったら…ラブ&ピースなんてどう?」
「あ…ふふっ…ちょっと可愛いかも。」
ジョーヌが出した名前を聞いて笑いあうアルエットとジョーヌ。
「アルエットさん!」
「はい!」
突然の大きな声にアルエットは肩を震わせて振り返った。
「可愛いものが良いのでしたら、アスールルナとロッホソルはどうですか?青い月と赤い太陽という意味で…二十一世紀初頭のソフトウェアにつけられていた名称のようです。」
「あー」
まだ堅苦しい感じがするのかアルエットの表情はあまり良くない。
「あっ、嫌だったら、ブランとノワールなんてどう?白と黒。はっきりしてて覚えやすいでしょー?」
「あー…。」
ジョーヌの提案に悩むアルエット。
確かにはっきりして分かりやすいが、少し単純な気もする。
「他には、テクノスとタナトスとか…」
「あ…」
ルージュの名前の案にアルエットはどう反応すべきかと頭を悩ませた時、ジョーヌが割り込む。
「ちょっとちょっとお。ルージュのはねえ、堅苦しいのが多いのよ。アルエットちゃん困ってるじゃなーい。」
「そんな…」
アルエットはそんなことはないと言おうとしたが、ジョーヌがベビーエルフ達の名前を提案する。
「それよりー。セレッソとかビルゴみたいに単純なのがいいと思うんだけど。ね!アルエットちゃん!」
「え…」
「ジョーヌ!あなたさっきから私に文句ばかりつけてきて、白だの黒だの桜だの乙女だのってふざけてるの?
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