第2章 項羽と劉邦、あと田忠 〜虞兮虞兮、奈若何〜
第10話 阿弥陀の数だけ強くなれるよ
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い意味でも。この世界にも儒教がある。流石、中華風ファンタジー。
だがしかし、この儒教。面倒なルールも多く、一般市民にはハードルが高い。一部の意識高い系インテリの思想なのだ。
だから当然、俺の軍隊に儒者はナッシング。そこで、仏教を布教してみたらどうだろう、と思いついたわけである。
特に、一般市民にも親しみやすい大乗仏教ならワンチャンあるんじゃね?
「南無阿弥陀仏と唱えればOK」というお手軽さ。無学な農民兵に丁度良かったと言える。
史実の日本であれだけ広まったんだし。
元日本人的には、宗教の政治利用はしたくなかったんだけど、仕方あるまい。
¥月K日
なんで????????
#月¥日
今日も戦場では元気な号令が響き渡っています。みんな〜、せ〜の。
『進者往生極楽! 退者無間地獄!』
どうしてこうなった!?
#月H日
昨日はあまりの想定外の事態に取り乱してしまった。
ふと周囲をみればそこに翻るは、南無阿弥陀仏の旗。
仏教徒としては嬉しいのだが、これは断じて俺の仕業ではない。
「法主様!」
「お、おう彭越殿か」
「彭越などと……あっしのことは一向とお呼び下せえ」
もう何度もしているやりとりである。彭越、真名は一向。俺の仏教話に甚く感銘を受け改宗、改心した。
それが偽りでないことは鑑定で確認済みだ。
彭越 一向
政治1 知略8 統率9 武力7 魅力7 忠義8
忠義1⇒8へと上昇している。彼女は言った。
「あっしの悪名は轟いておりやす。だから、本気の証としてこれからは真名で活動していきたいんでやす」
そう、彼女は自らの真名を晒すことでその覚悟を示したのだ。この世界の人間は何よりも真名を大切にするため、相当の覚悟だといってよい。
ここまで覚悟を示されたら俺とて応えねばなるまい。
大陸とったるどー!
◆
「突撃ィッ!」
一つの矢となって1万の騎馬軍が突撃を開始する。先頭を走るは田忠。敵陣の弱点を見破ると、まるで無人の野を行くがごとく、敵を蹂躙していく。続く兵卒たちも気力がみなぎっている。
確かに、田忠はあえて忠義の値が低いものを連れてきた。だが、能力値までが低いわけではない。既に、その長短に合わせて最適な編成を田忠はしていた。この手際の良さには、あの張良でさえも舌を巻いたほどである。
「田忠将軍に続けええ!!」
そして、忠義の値が低くとも――英雄に心酔しないわけがないのだ。
こうして、韓信と並ぶ劉邦軍最強の軍として田忠は認識されるに至ったのである。
ところが、そこに横やりを刺した者がいた。張良である。あまりに功績をあげれば、戦後の扱いに困る。涼
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