第十幕その八
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「神様も変わるんですね」
「場所によってな」
「そうですよね」
「そして時代によってもな」
このことでもというのです。
「変わるのだよ」
「時代によってですか」
「そうなのだよ、私はオズの国では主神のままだが」
エジプトの神々のというのです。
「外の世界ではホルス神が次の主神になっていたりもする」
「そうなるので」
「だからだ」
「神は時代や場所で変わるんですね」
「何かとな、最近我々は日本でも有名だそうだが」
ラーは恵梨香も見て言いました。
「面白いことだな」
「ゲームや漫画や小説で、ですね」
その日本人の恵梨香が応えました。
「色々と」
「それでジェド神が特にだな」
今まで皆が会いたいと思って探していてこれから会う神様もというのです。
「人気があるな」
「そうですね、エジプトの神様では」
「そうだな」
「ずっと名前もお姿も知られてなかったですが」
それがというのです。
「最近は」
「そうだな、ふとしたことで知られてな」
「それからですね」
「定着したな」
「それまではオシリス神やイシス女神が有名でしたが」
それがというのです。
「今ではメジェド神もです」
「有名だな」
「はい、そうなったみたいですね」」
「そうだな、それまでは影も形も知られていなかったがな」
「急に有名になって」
まさにふとしたことで、です。
「ここでも私達は」
「それも面白い、しかし我々は日本という国を知らなかった」
ラー神はこうも言いました。
「エジプトではな」
「まだ日本もですね」
「なかったしな、遠い昔だ」
「日本もなかったんですね」
「中国もなかったな」
今度は神宝を見て言いました。
「アメリカもロシアもな」
「そしてブラジルもですね」
「そうだ、どの国もなかった」
ラー神はカルロスにも答えました。
「そうだった」
「本当にエジプトだけだったんですね」
「メソポタミアはあったがな」
「それでもですね」
「君達の国はなかった、少しして中国という国が出来たが」
それでもというのです。
「そうした国があるとほんの少し聞くだけでな」
「それ以外はですね」
「関わりもなかった。だ、今はな」
「こうしてですね」
「オズの国にあってな」
そしてというのです。
「そうした国があることもな」
「ご存知なんですね」
「そうなった、面白いな」
実にという口調でのお言葉でした。
「まことにな」
「本当に時代によって変わるんですね」
「人も神もな」
「オズの国もそうだし」
ここで言ったのはトロットでした。
「この国も随分と変わったし」
「我々もいるしな」
ラー神はトロットに明るい声で応えました。
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