第1話 剣の世界
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本から教える必要があるね」
「…い、いやー面目ない…」
たはは、と頭をさすりながら笑うクライン。
ふらつく身体を剣で支えながらも立ち上がる。
「スマン。ソードスキルも気になるが、先に立ちまわりとか基本的な事を教えてくれ。今のままじゃ、一緒にプレイする友人たちに示しがつかなくなっちまう」
「ああ、今からみっちり仕込んでやるから覚悟しとけ」
「うへぇ、お手柔らかにお願いするぜ、キリト」
「あはは、お二人は仲良しですねぇ。リアルでもお知り合いなんですか?」
何年来の気の合う友達であるかのように振る舞う二人に、フブキはふと浮かんだ疑問を投げかける。
するとミオも同じことを思っていたようで、その言葉に乗っかるように言葉を紡ぐ。
「そうそう、ウチも思ってた。お友達だったりするのかな?」
「いや、そんなことはないよ」
しかし、その二人の考えはキリトの一言によって否定される。
だったら何でこんなにも距離が近いのだろう。その二人の疑問は、次のキリトの言葉で解決する。
「…仮想世界だから、リアルでの自分を気にする必要がないのさ。ここなら、なりたい自分を演じることができる。君たちVTuberだってそうだろ…って、これはそっちの業界じゃご法度だな」
ごめんごめんと笑って謝るキリトに、いえ大丈夫ですと返すフブキ。
リアルでの自分を気にする必要はない。なりたい自分を演じることができる。
そんなキリトの発言に、フブキとミオは何となく彼の人となりを察することができた。
「俺は元からこんな感じだからな…さっき言ってた友達ってのも、他のMMORPGで出会った仲間たちだし」
「クラインはコミュ力お化けなんだよ。俺みたいなやつとは住んでる世界が違うんだ」
「ああなるほど、陰キャと陽キャってやつかぁ」
「あの、ミオさん?あんまりはっきり言うのはやめようか?その言葉は俺に効く」
キリトが大仰に胸を押さえて蹲ったところで、4人の間に笑いが生まれる。
しかしそんな中、笑い声に交じってかすかに聞こえてくる音があった。
リンゴーン、リンゴーン。
小さかったその音は、時間がたつにつれ確かな大きさを伴って耳に入るようになる。
「…?この音はなんでしょうかね」
「システムアナウンスか…?リリース直後は不具合とか多いだろうからな」
キリトの言葉に、成程と一同が納得したように頷く。
しかし、その次の瞬間にはフブキとミオが強制的に始まりの町の転移門広場へと転移させられた。
「えっ…?」
「あれ…キリトくんとクラインさんは?」
『なんだなんだ』『これ
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