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NARUTO 桃風伝小話集
その45
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ちはシスイは私を軽々と抱き上げて、あっという間に家の水源に当たる沢のほとりに移動していた。
運ばれている間に自然とうちはシスイにしがみついてしまっていて、狐に摘ままれたような気になりながら、うちはシスイの腕の中から降ろされる。
そのまま適当な倒木に座らせられて、うちはシスイは焚火の用意をし始めた。
ぼんやりとそんなうちはシスイを見つめていると、困ったように苦笑して、全ての支度を終えたうちはシスイが私の前にやってきて、膝をついて私と目を合わせて写輪眼を発動させた。
そして、こう言った。
「うちはは、幻術も視線一つで掛けられる写輪眼を有する最強の瞳術使いの一族だ。そんなに真っ直ぐに俺達一族と目を合わせていては、容易く操られてしまうぞ。君は、九尾の器だ」
じっとうちはシスイの写輪眼を見つめつつ、今まで、九喇嘛やおじいちゃんにさえ言った事のない覚悟を打ち明けた。
「今更です。フガクさんはうちは一族の長で、ミコトさんはその妻で、イタチさんとサスケ君はその長の子です」
「……成程」
私のその言葉に、私の覚悟を感じ取ってくれたんだろう。
シスイさんは写輪眼を消し去った黒い瞳で私に笑いかけてきた。
「覚悟の上という事か」
そうして、自嘲気味に呟いてきた。
「確かに、俺達うちは一族と、その覚悟もなしに親しむことはできない、か…」
寂しそうなその言葉に、ここ最近考えていて、ついさっきも考えていた事を打ち明けてみた。
「別に、それだけが理由じゃないです」
「というと?」
興味を持ったらしいシスイさんが、私に促してきた。
だから素直に口を割った。
「僕が独りだからかもしれませんけど、『一族』について、よく考えるんです」
「それで?」
「僕はうずまきで、千手の流れを汲んでて。つまり、僕は、傍系の千手一族」
「…成程」
興味深げにしつつ、腑に落ちなそうにしているうちはシスイに、その先をも語っていった。
「そして千手一族は六道仙人の直系。そしてうちは一族も六道仙人の直系。だって、両方の一族の祖は兄弟だったんでしょう?なら、見た目も能力も全然違うけど、千手とうちはは同じ一族だなって。それなら、傍系の千手でちょっと僕は遠いけど、ミコトさん達と僕は同じ一族かなって。それくらいなら、誰にも言わずにこっそり思ってるくらいなら、別に良いんじゃないかなってそう思って…」
思わぬ事を言われたとばかりにきょとんとしているシスイさんに、そう考えるようになってから気付いた事を打ち明ける。
「そう思ってから、うちはの人と、里の人間と、どっちと過ごしやすいか考えてみたら、僕、里の人間よりも、うちはの人達との方が過ごしやすくて、何を考えているのかも分かりやすいなって気付いちゃって。それってやっぱり、見た目は違くて、血も遠いけど、僕もうちはの人達もどこか同じ物を持っ
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