その43
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何故うちは一族はナルトを引き取ろうとして、皆殺しにされて。
なぜナルトはサスケと仲良くしていて。
そして、サスケがナルトに執着するのかに、全部全部筋が通って理由が付く。
ナルトが、自分の気持ちも、サスケの気持ちも、目を逸らして出来る限り見ようともしない事もだ。
でも、サスケの気持ちの変化だけは、きっとサスケにとっても予想外な事なのだろう。
ナルトの話から垣間見えるサスケの不器用すぎる行動からは、サスケの戸惑いが見えていたから。
でなければ、全ては策略だ。
ナルトを、うちはである自分に、サスケが縛り付ける為の。
そうではないと、イノは肌で感じているけれど。
だって、死の森での姿も。
その前の、ナルトの付き添いで、イノの家に客として訪れていた時も。
サスケはナルトを大切にしていた。
そして。
イノは今まで目を逸らしていた事実を、諦めと共に受け入れた。
そんな訳はないと。
同じ木の葉に住む仲間だからと、ずっと目を瞑って、逸らして来ていたけれど。
サスケも。
ナルトも。
二人とも、きっと里の人間が嫌いだ。
『木の葉』を、本気で疎んでいる。
それを認めざるを得ない。
クーデター。
そんな単語がイノの脳裏を過る。
でも、こうやって、ナルトの側から、ナルト達の話を聞いてしまった今となったら。
「嫌われてても、仕方ないのよ。私も、あんたも。木の葉の人間も。そういう事をずっとして来てたのよ。当たり前だからって。サスケ君と、ナルトに」
「うん。そうね」
同じものを、サクラもきっと感じている。
イノの言葉に頷くサクラの声には、沈んだ色が乗っている。
でも。
だけれど、なのだ。
「でも、ナルトは私達を友達だって言って、嬉しそうに笑ってた。サスケ君の死の森でのあの様子を見るに、サスケ君だって、ナルトが笑わなくなるような事は考えないし、ナルトにもさせないと思うわ」
「うん。そうよね。私もそう思う」
まだ少し胸に痛い事実を、自分の胸の痛みを無視して堂々と掲げる。
イノの抱える痛みと似た表情で、サクラがイノに同意した。
だからこそ、強気ないつもと同じように断言した。
「だから調べましょ!正直、どうしてナルトがあんなにちぐはぐな所があるのが疑問だったけど、こんな変な環境に置かれ続けてたら、そりゃおかしくもなるし、当然だわ!それと、サクラ。あんた、自分の言葉には本当に気をつけなさいよ。あんたちょっと人の気持ちを考えない無神経な所があるから、ナルトみたいな複雑な事情抱えてる繊細な子とは相性悪いわ。ナルトと本当に友達になりたいなら、重々気をつけなさい?今のあんた達の関係は、ナルトからの気遣いとの譲歩で成り立ってると、そう思うわよー?こんな大変な立場に置かれているナルトに、これ以上私達に気を遣わせてどうすんのよ!」
「うん…
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