暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO 桃風伝小話集
その43
[5/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
口に、出さない方が、良いわ。それに、きっと、気のせいよ。だから、『勝手に動いちゃダメ』!」
イノのきつい制止の声に、不満げに眉を寄せたサクラに、イノは少し苛立って声を荒げた。
「何のためにナルトが私達を気遣って、なるべく情報を渡さないようにしてくれてたと思うのよ!まずは、情報収集よ!」
「情報収集って、どうやって…」
イノの指摘にはっとしたように目を見開いたサクラは、おずおずと疑問を口にした。
その疑問に、きっぱりとした態度で逆に問いかける。
イノ達も下忍とはいえ、忍の端くれなのだから、これくらい、自分でたどり着けなければならない。
「私達の身近に居て、ナルトの情報独り占めにしてるのは誰?」
「あ!」
現に、サクラは促せば気付いた。
そうしてイノは、もう一つ、気付く。
「それに、ナルトも言ってたじゃない!死の森で!自分の事はサスケ君に聞けって」
なるほどそれは有効だ。
秘密を持っているのならば尚更に。
あの時は、二人の仲を見せつけられているようで、ただただ面白くなかっただけだったが、こうしてナルトやサスケの事情の一端を掴んで、それぞれの事情を探ろうとし始めた今は、ナルトとサスケの周到さに閉口する。
そうしてナルトが、イノとサクラにうちは一族について、少しだけでも言及してくれた理由も分かった。
イノ達に相談するのに必要だったからだけじゃない。
既にサスケから、ナルトの判断で、サスケと、ひいてはうちはについて、話していいとの言質を取っていたからだ!!!!
あの時のやりとりはこういう事か!
シカマルの激高も無理はない。
狡猾と言い換えて良い、冷徹な忍の思考をイノはそこに感じ取る。
忍として、仲間の情報ほど、口が重くなるものはない。
相手を大切に思うならば猶更だ。
それに結局、ナルトはサスケにとっての肝心な部分は何も話していない。
イノ達でも調べれば分かる範囲の事しか言っていないと宣言していた。
ナルトが忍に向いてないなんて、とんでもない!
怖いくらいに、これはもう忍そのものではないか!
穏やかに微笑む普段のナルトとのあまりの落差に、イノはぞっと背筋を凍らせた。
サスケがナルトに目をかける理由の一つをそこにも見つける。
そうして、力不足を痛いほどに痛感した。
これは、イノとサクラの二人で当たるには厄介すぎる。
何せ、相手はタッグを組んでるナルトとあのサスケなのだから。
少し考え、イノはあっさりと決断した。
「時期的には悪いと思うけど、シカマルとチョウジにも協力してもらいましょ!どーせあいつ、本選出場なんてめんどうがって碌に修行もしてないに決まってんだから!私もパパにちょっと探りを入れておくわー」
とんでもないものを、引き当ててしまったかもしれないと、イノは思う。
もしも。
もしもそれが本当なら。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ