暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO 桃風伝小話集
その43
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「あ!思い出した!そのあと確かしきりにシカマルが考え込んでいたから覚えてるわー。確かナルトは拾い主と落とし物の関係とか言って笑いだして、更にそのままあっさりと里が嫌いだとか言いだして、すごくびっくりしたから覚えてる。今となっては納得だけどー」
サクラの話を聞いて、そうサクラに返したイノは、サクラの顔色が尋常じゃないほど青ざめている事に気が付いた。
「サクラ?」
「あのね、イノ。最後まで、私の話を聞いてくれる?」
「え?いいけど…」
思いつめたような表情のサクラに圧されるように、イノは承諾する。
その途端だった。
サクラの話は更に話題が飛んだ。
「大蛇丸が二回目に私達の所に来た時、ナルトと話していた大蛇丸はこう言ったの。ナルトの見た目は母親似だけど、中身は父親に似てるって」
疑問に思いつつ、そう言われてイノも思い出す。
「そうね。そしてナルトが大蛇丸と繋がってるのはダンゾウ様だろうって問い質し始めて、そういう察しの良さは父親似だって大蛇丸が言い出して…」
そしてそのままナルトが殺されそうになった事までを思い出して、イノはぞっと背筋を凍らせて口を噤んだ。
けれど、サクラの言わんとすることはそういう事ではないようだった。
「それで、その前に、ナルトは香燐さんに、香燐さんが木の葉でどんな扱いをされやすいか、詳しく説明していたの、覚えてる?」
「え?ええ…。確か、人、柱力、に。つい、て…」
話題があちこちに移動するサクラの話に疑問を持ちながら素直に話題を考えて、イノは唐突に理解する。
サクラが何を言いたいのかに気付いて、イノも顔を青ざめさせた。
思えばナルトは、少し、詳しすぎやしないだろうか。
秘匿されているはずの、人柱力の情報と尾獣について。
もし、それが、己自身の事だったからだとしたならば。
だから、ナルトは里から爪弾きにされていたのだとしたら。
けれど。
さっきまで、初めてだろう淡い恋心に戸惑って、それでもサスケに対する精一杯の気持ちを語っていたナルトの姿を思い出す。
相手がサスケというのが、今のイノにはまだ複雑な気持ちがあるけれども、一生懸命、自分の気持ちを口にしていたナルトの姿は、自分達と何も変わらない一人の女の子の物だった。
だから。
だけど。
青い顔をしたまま、サクラが促した結論を直視したくなくて、イノは声を潜めた。
「……サクラ。自分が何言ってるのか分かってるの?間違いじゃなかったとしても、冗談でしたじゃすまないわよ」
人柱力は、その身に尾獣を宿した忌避すべき恐ろしい化け物なのだから。
そんな疑いを、仲間に向かってかけるなど!
でも、イノも分かってしまう。
それなら、ナルトのこの境遇のおかしさに説明がついてしまう。
説明が、ついてしまうのだ。
上層部がナルトを人々の悪意に晒したまま
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ