その43
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な声でイノを呼んだ。
「ねえ、イノ」
「何?」
「中忍試験第一試験開始前に、サスケ君達と一緒に居たカブトって人の事、覚えてる?」
思いもよらない問いかけに、イノは思わず面食らった。
そうして少し記憶を探る。
「中忍試験第一試験開始前〜?」
そうして、初めてイノ達と女だけで固まって、同性として談笑していたナルトが、サスケに呼ばれて離れていった後、釣られるように一緒に移動した先で、見知らぬ年上の木の葉の忍と何かやり取りしていた事を思い出す。
眼鏡をかけた、少し陰気そうな見た目の。
「名前までは思い出せないけど、そういえば私達の知らない木の葉の忍がいたわね。それがどうしたの?」
「うん。さっき、ナルトが、自分がこんな風になる原因は四代目が作ったって言ってたことを思い出して、ふと、気付いちゃったんだけど」
「何よ。何に気付いたのよ」
問いかけたイノは、その後、自分の息が止まるような衝撃を受けた。
「あの人、木の葉に入り込んだ大蛇丸のスパイかもしれない人で」
「ちょ、ちょちょちょちょっと待って、サクラ!」
何気なくサクラが口にしてきたとんでもない情報に、イノは動転する。
「なによ」
「何よじゃないわよー!何処情報よ、それー!」
言葉を遮られて不満そうにしているサクラに、感情的に詰め寄った。
捨て置く訳にはいかない情報だった。
スパイだなんて。
木の葉は忍びの里だけれど。
イノも、そういう噂を耳にする機会は、今まで何度かあったけれども。
そんな疑いのある人間に、ニアミスするほど間近に接していたのは、初めてだ。
動揺と、焦りを滲ませて追及したサクラは、何でもないように情報源をすんなりと白状してきた。
「サスケ君とナルトがそう中りを付けてたのよ」
「そ、そうなの…」
サクラの言葉に納得しつつも、イノは少し疑問に思った。
どうしてサスケとナルトがそんな中りをつけられたのか、それこそ気になるが、ナルト達はあの木の葉の伝説の三忍と繋がりがあるようだった。
もしかしたら、その兼ね合いだったのかもしれない。
大蛇丸自身も、抜け忍とはいえ、その伝説の三忍の一人なのだし。
そんな風にイノは自分を無理やり納得させた。
触らぬ神に祟りなし。
シカマルがイノに向かって良く言う言葉だが、イノもそれは実感している。
自分の手には負えない物を、自分から抱え込まない方が断然良いのだ。
さっき改めて自覚し直した通り、イノ達は、まだまだいろんな事に対して未熟すぎるから。
少し、悔しいけれど。
悔しいから、未熟な子供のままではいないつもりだけど。
そんな風に考えを巡らせていたイノを気にした風もなく、サクラは自分の話を続けていた。
「それで、その人がナルトにあの時確かこう尋ねてたの。ナルトと四代目火影と九尾は一体どんな関係なんだって
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