その43
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自分の中でも結論が出て。
それでもまだ不服そうなサクラに、イノは少し水を向けた。
「私はまだナルトの事そんなに知らないけど、あの子、謝ったら許してくれると思うわよ?ちょっと接しただけですぐ分るくらい、優しいもの。あの子」
「うん。そう思う。でも、心を開いてはくれない!」
その途端に返された、サクラの悲痛な声に、イノも感じたナルトからの拒絶する空気を思い返す。
いつも穏やかな空気を絶やさなかったナルトからの、サクラが引き出した、冷え冷えとしたあの冷たい空気を。
サスケからも、常に感じていたあの空気を。
だからこそ、口籠った。
けれど、死の森でイノを友と呼んで、嬉しそうに笑ったナルトを思い出す。
その笑顔に気合いが入った。
そうして、駄々を捏ねてるサクラを一喝した。
「あったりまえでしょー?ナルトは木の葉の人間に、こんな所で一人で暮らさなきゃなんない境遇押し付けられてんのよ?私達を友達にしてくれただけでも御の字って奴よ!それに、アカデミーの頃のナルトに対するあんたの行動思い返してごらんなさいよ!なのに、あんたを友達にしてくれたナルトの慈悲深さにこっちの方が驚きよ!まあ、ナルトもナルトできっちり当たりの強いこと言ってあんたを挑発してやり返してたけどー。でも、ナルトとそんな関係だったあんたが、今すぐ自分をヒナタと同じ扱いにしろとか、ナルトに言える訳もないでしょー?あんたはナルトの友達としては、マイナスからのスタートなんだってしっかり自覚しなさい!あんただって、あの頃あんたにきつく当たってた子達、今でも苦手にしてんじゃないのよ!あんたが今言って、ナルトに不満に思ってる事は、あんたがあの子達と今すぐ私みたいな関係になれって言われてるようなもんよ?そんなの無理に決まってんでしょ?仲直りはしたけど、今でもあの子達避けてるあんたにさー。なのに、どんだけナルトに高望みしてんのよ、あんたは」
「ううー。それならイノはどうなのよ!」
一喝した途端、不満げに唸ったところは昔みたいに変わらなかったが、続いた言葉は今のサクラの物だった。
友達よりも、ライバルとして対等な立場を選んだサクラの。
だからこそ、敢えてイノはサクラを挑発し、胸を張る。
イノがそうしたいし、サクラがそれを望んでいるから。
「ふっふーん!実はナルトは、小さい頃から私の家のお得意様だったもんねー!あんたとは、ナルトと接してる時間が違うのよ!それはサスケ君も見てたしねー」
「ナルトのスリーマンセル仲間は私よ!?イノには負けないんだから!」
「言ったわねー!受けて立ってやるわよ!」
結局、イノの安い挑発に乗って負けん気を見せてきたサクラと、抱き締めあいながらいつものように睨みあい、そうしている事の馬鹿馬鹿しさに気付いて同時に噴出した。
笑って笑って、笑い疲れた時、サクラがやけに真剣
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