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NARUTO 桃風伝小話集
その42
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結ばなかったようだが。
イノがサスケの反応に気付いてから、もの言いたげな、複雑そうな表情でサスケを囲む女子達を見つめているナルトにも気付いて、イノは忠告の礼と、現状のきっかけになった行動の反省と詫びを入れて、謝った事があった。
その時、ナルトはとても優しい表情で微笑んで、それはサスケに言えと促され、恥を忍んでサスケに謝り、行動を少しだけ是正した。
全部はイノには無理だから、本当に、少しだけ。
でも、イノの謝罪と反省と決意を黙って聞いてくれたサスケは、それから少しだけイノに対する当たりが柔らかくなったように感じられて、それでますますサスケにのめり込んでいったのだけど。
今思えば、そういえばその頃からナルトに当たりのきつい女子が増えていたし、サクラがナルトを面と向かって罵倒するようになったのも確かその頃だ。
今となっては後悔しかない。
イノが失恋するのも当然だろう。
でも、イノは今、決して一人ではないから。
「サスケ君がどっちに恩を感じるかなんて、そんなの考えなくても決まってるでしょー?あんたも私も、サスケ君みたいな人を好きになって、サスケ君から好きになってもらうには、全然子供過ぎたのよ。だって、あんたも私も、お父さんもお母さんも居なくなっちゃってるサスケ君の気持ちをちっとも判ってあげられないし、サスケ君をそんな風にした人を自分が必ず殺さなきゃならないって考えて、だから強くなろうとする気持ちなんて、ぜんぜんちっとも分かんないでしょう?それに、それを解る為に、自分のパパとママを誰かに殺してもらう事を願う事なんか、出来っこないでしょー?いい加減にそれを理解しなさいよ、デコリン!あんたの取柄は無駄に優秀なその頭の中身だけでしょーが?」
きつくサクラを抱きしめながら、イノは自分も涙を零しつつサクラを罵倒する。
いつものように、サクラが言い返してくるのを待ちながら。
「うるさいわよ、イノブタ!分かってるわよ、そんなこと!でも、どうしよう、イノ。私、ナルトを傷つけた。あの子、本当は、すっごく優しい良い子なの!なのに、私!ずっとずっとナルトの事傷付け続けてた!アカデミーの頃からずーっと!どうしよう!どうしよういのぉ〜」
途方に暮れた子供のように大泣きしながら縋ってきたサクラの言葉に、もう一つイノは悟った。
何だかんだ言いつつも、サクラはナルトを気に入っているらしい。
分からなくもないと、イノも思う。
頭の回転が速く、しっかりと自己主張し、それでいて基本的に穏やかなナルトとは、サクラも気負わずに接する事ができるのだろう。
事情が事情だったからイライラもしたし、ヤキモキもしたが、イノだってナルトともっといろんな話をしたいと思った。
甘栗甘だけじゃなく、ナルトとするなら、誰かの家にお互いの手作りスイーツを持ち寄っての女子会なんかもいいかもしれない
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