その41
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びせられたような心地で、サクラは完全に目を覚まして硬直する。
バクバクと、心臓が痛い程激しく鼓動していた。
聞いてはいけない事を聞いてしまった後ろめたさと、考えてみたこともないナルトの弱さに、上手く頭が働かなかった。
そんなサクラをよそに、ナルトの反省が籠る謝罪に、サスケの何かが詰まった深い溜め息が漏れた。
「別に謝る必要はねえ。忍としては正しい判断だ。お前は悪くない。だが、今のお前が一人で抱え込むにはまだ早い。そうやって動揺して怪我までして、死にかけもしたからな。だから今回はとっとと吐いとけ。聞いておいてやる。ただし、今だけだからな。お前が自覚している通り、オレ達は忍びだ。だから今だけだ。それは分かっているな?」
「うん」
「なら、吐け」
そうして、サスケに促され、すっかり涙声になってしまったナルトが、消えてしまいそうなか細いくぐもった声音で、もう一度サスケを呼んだ。
「ねえ、サスケ」
「何だ」
対するサスケの声は、とても静かだった。
そして吐き出されたナルトの苦悩は、サクラが、想像してみたことすらないくらい苦痛に満ちていた。
「やっぱり、僕の、せいなのかなあ?僕が、殺しちゃったのかな。あんなに、いっぱい、動物さん達もっ!」
ボロボロと、ナルトが涙を流して泣いているのがサクラにも分かる悲痛な声だった。
サクラの胸が痛くなる。
そして、ああ、と納得した。
「っ僕、誰も殺したくなんかなかったのに!だから、一目で危険な事が分かるように、殺傷能力高いって分かる細工もちゃんとしといたのにっ!ちゃんと、触れたらどうなるかって教えてあげて、警告もしてあげたのにっ!あの人、面白半分で突っ込んで来て、僕の事笑いながらバラバラになって死んじゃってっ!!あんな結界、張った僕が、やっぱり、悪かったのかなあ…?」
ナルトが涙声で漏らしている戸惑いと葛藤は、サクラと何も変わらない同じ年の普通の女の子が、持っていて当たり前のものだった。
そんな物を、たった一人で目撃してしまったナルトの衝撃はどれほどの物だったのだろう。
そして、スリーマンセル結成直後の、ナルトのサクラへの反発の理由が、痛い程よく分かった。
サスケがナルトを相手にして、サクラ達を相手にしようとしてくれない理由も。
ナルトもサスケも必死なのだ。
死に物狂いで忍になろうとしている。
そんな二人の目に、浮ついた気持ちでサスケと同じ班になれた事に浮かれ切っていたサクラは、一体、どう写っていたのだろうか。
それは、ナルトから与えられた辛辣な言葉の数々と、サスケからの無視という形でこれ以上なく表わされている。
しかも、サクラに与えられたナルトからの忠告は、耳に痛いくらいの正論で、きちんと受け取めてしまえば、サクラへの気遣いに満ちたものばかりだった。
きっと、本質的に、ナルトこそが忍
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