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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第6節「鋼の腕の伴装者」
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ねない、餓狼が如き伴装者を前にツェルトは溜め息を吐いた。

「残念だったな、ファルコンボーイ。勝負はお預けだ」
「逃がすかッ!」

翔が踏み込むより早く、ツェルトの右手が素早く動いた。

「転調・コード“エンキドゥ”」

回転したリボルバーは、三つ目のコンバーターを発動機に接続する。

刀が消え、代わりに右手へと握られたそれを、ツェルトは天井へと向けて放った。

そして、翔が握り締めた拳が向かって来る直前、彼の体は勢いよく垂直に引き上げられた。

「ッ!? まだ温存していたアームドギアがッ!?」
「あばよボーイズ、次は俺が勝つ」
「逃がすかよッ!」

天井からぶら下がりながら、ツェルトは声の方向に左腕を振るう。

直後、彼めがけて真っ直ぐに飛んで来ていたシールドは、左手から射出された何かによって弾き返された。

「ワイヤーだとッ!?」
「おっと危ねぇ。フリスビーは人に当てる気で投げないようにってな!」

射出されたワイヤーが、腕の動きに合わせて意志を持ったように動き、蜘蛛の巣のような結界を形成していたのだ。

純が弾き返された盾をキャッチしたと同時に、ツェルトはワイヤーの結界を解き、通路の奥へと向けて新たに射出した。

ワイヤーの先端は楔が付いており、天井に打ち込んだワイヤーを使ってツェルトは、まるでターザンのように素早く移動を始めた。

否、次々とワイヤーを打ち込み、勢いのままに移動していくその姿はターザンと言うよりも、まるでアメリカンコミックに登場する蜘蛛のヒーローを彷彿とさせる。

「待てッ! 純、追えるか?」
「問題ねぇッ!」

翔と純はツェルトを逃がすまいと、全力で駆け出す。

廊下の先はライブステージ……そこには、翔達が予想だにしなかった光景が広がっていた。



「ッ!? こいつは……!」
「未確認の……ノイズ!?」

ステージの上に立っていたのは、黄緑色の肉塊を寄せ集めたような外見に、イボだらけの巨大な体躯を持つ、これまでに見たことの無い種類のノイズであった……。
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