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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第6節「鋼の腕の伴装者」
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板へとぶつかった。

気を取られる翔。その頭上から、振り下ろされる一刀。
跳躍したツェルトの着地と共に、黒き抜き身の絶刀が迫る。

(もらった──ッ!)



ツェルトが勝利を確信した、次の瞬間だった。

「──な……ッ!?」

ノールックで受け止められた刃の切っ先。

片手白刃取りを決めた隼の射手は、鋼腕の伴装者を見上げ見据える。

「おが……師匠から気配を察知する術は指南を受けている。この程度の不意打ちが、俺に通じると思うなよ……」
「ぐッ!?」

翔の左手は刀身を握り締めて離さず、どれほど力を入れてもアームドギアはビクともしない。

「天羽々斬は護国の(つるぎ)! この国を脅かす者に……否、姉さんのライブを台無しにしたお前に、振るう資格などあるものかッ!!」
「──ッ!?」

見開かれた蒼い瞳、剥かれた犬歯、硬く握られた拳。
鬼気迫る表情でがツェルトに向けられる。

翔から放たれる、貫くような怒気に射すくめられたのか、ツェルトの表情が一瞬強ばった。

そして次の瞬間、腹部から広がる重たい衝撃に彼は目を剥く。

掴んだ刀を引き、勢いのまま拳を叩き込まれたと認識した時には既に、ふらついた身体は蹴り飛ばされ、宙を舞っていた。

床をしばらく転がって、肺から押し出された空気を吐き出す。

「ぐはッ!?」
「聞きたい事は山ほどあるが、話はベッドで聞かせてもらうッ! 地に沈め、擬き者っ!」
「くっ……ハハッ! 生憎と、男同士でベッドに入る趣味はないんでね……」

少しふらつきながらも立ち上がるツェルト。

まだ体力は残っており、使える聖遺物もまだ残っている。
厄介なアキレウスは、どうやらまだ立ち上がる気配がない。

まだまだ続くかと思われた戦闘。しかし──

『聞こえますか?』

その時、ツェルトの耳に入ったのは予想外の通信だった。

ff

その頃、特殊車両の中では……。

「この伸び率では数値が届きそうもありませんね……」

フォニックゲインの観測機に、各装者9人のアウフヴァッヘン波形と共に表示されている『036』の三桁……。
36%を示すパーセンテージに、マムは焦りを感じていた。

このままでは足りない。彼女達の目的を達する為に、その数値はあまりにも低かった。

「仕方ありませんね。最終手段を用います──聞こえますか?」

回線を、前線にいる二人に繋ぐ。

一人は屋内にて伴装者を足止めし、装者達と分断している青年。

そしてもう一人は、会場内の何処かに隠れ、ノイズを使役している者に。

「ツェルト、マリア達と撤退なさい」

ff

「──やれやれ。マムからのお達しとあらば、仕方ない」

今にも飛びかかりか
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