酔っ払い達の明日
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
提督が大好きなんですよ。でもヤン提督もこれで簡単に引退することが出来なくなりましたね。皆ヤン提督には軍にいてほしいと思ってるし、僕も嬉しいです!」
「そのようだね・・・じゃあ市民の権利を行使するために早速期日前投票にでも行こうか。」
ヤンはそう言うと、ユリアンを連れて会場を後にした。
各惑星の選挙区で熾烈な選挙戦が展開された。進歩党執行部の面々も各惑星に精力的に演説を行い、自身の選挙区入りすらままならなかったほどである。そんな長きにわたる選挙戦も終わり、投票日を迎えた。最終投票率は80%近くまで上り、ここ30年間で最高を記録した。そしていよいよ開票結果が速報で発表されようとしていた。
「まもなく速報が流れます・・・開票出ました!
自由共和党 :383議席
進歩党 :1328議席
反戦市民連合:395議席
憂国地球党 :134議席
無所属・諸派:10議席
以上です。圧勝です!各党横並びの激戦との予測を覆し、進歩党が単独過半数を獲得し勝利しました!」
「えーここで見事、宇宙歴796年度同盟議会代議員総選挙に勝利を果たした、進歩党本部より中継がつながっています。」
「「「バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!」」」
「今回の大勝利は、同盟市民の皆々様のお力添えの賜物と、身に染みる想いでございます!
私達進歩党は、同盟議会で単独過半数を獲得いたしました。ですが、この国難と呼ぶべき情勢の中、我々単独では些か心許ないのも、恥ずかしながら事実でございます。よって私達は挙国一致政権の樹立を各政党に呼び掛けていく所存です!」
このヨブ・トリューニヒト進歩党総裁の宣言通り、後日各党との連立交渉が行われ、その結果、帝国に対する捕虜交換の申し出及び交渉の呼びかけと、大規模公共事業の実施を条件に、自由共和党と反戦市民連合が妥協、サンフォード前最高評議会議長の後継者となったコーネリア・ウィンザー自由共和党総裁と、新人ながら反戦市民連合の代表幹事となっていたジェシカ・エドワーズ議員の閣僚入りが決まった。
その数日後、同盟議会の指名選挙により最高評議会議長にヨブ・トリューニヒト進歩党総裁が選出され、進歩党、自由共和党、反戦市民連合の三党による連立政権が発足した。
この政権交代が今後の自由惑星同盟において、どのような影響を及ぼすかはわからない。しかしイゼルローン要塞が奪取されたことによって、これまで永遠に続くかに思われた同盟側国境宙域の戦いが終わりを迎え、同盟も新しい国家戦略が求められる以上、これまでにない新しい風が吹くことになるのだろう・・・それが吉兆なのか、凶兆なのか、それは後世の人間にしかわからない事なのだから・・・
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ