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戦国異伝供書
第八十二話 本山城へその十一
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「この土佐まではか」
「回ってきませぬ」
「そうか、しかしな」
「機があればですな」
「鉄砲を買ってな」
「使いまするな」
「多く合わせて使うと非常に強いという」 
 その鉄砲はというのだ。
「だからな」
「是非、ですな」
「欲しい」
 元親は一言で言った。
「それも多くな」
「そうしてですな」
「戦の場で使いたい、それでじゃが」
 元親はさらに話した。
「織田家ではそれこそじゃな」
「はい、何百丁と持ち」
「それでじゃな」
「使っています」
「そうであるな」
「それもかなり上手に使われ」
 そしてというのだ。
「戦にもです」
「勝たれておられるな」
「その様です」
「そして長槍もじゃな」
「兄上が言われた通りです」
「それでわしもじゃ」
「そのお話を聞かれて」
「槍を長くしておる、しかしな」
 それでもと言うのだった。
「鉄砲ばかりはな」
「どうしてもですな」
「手に入らぬのう」
 こればかりはというのだ。
「この土佐では」
「やはりそれは」
「仕方がないな」
「どうも」
 こう兄に答えるのだった。
「残念ですが」
「土佐はやはり田舎か」
「そう言ってしまうと」
「ならその田舎から出てな」
 そしてというのだ。
「やがてはな」
「鉄砲もですか」
「手に入れよう、四国全土を手に入れるとおおよそ百六十万いや百八十万石はあるな」
「土佐に讃岐、阿波に伊予を合わせますと」
 親貞は答えた。
「特に伊予が豊かですな」
「六十万石はあるからのう」
「他の三国で合わせて百二十万石程」
「それでな」
「はい、合わせて兵は四万五千となり」
「かなりの豊かさを手に入れる」
 元親はさらに話した。
「それだけの富があればな」
「鉄砲も、ですな」
「既に讃岐や阿波にはあるというしな」
「三好家は持っているので」
「だから四国を統一する時には」
「我等もですな」
「鉄砲も手に入れてじゃ」
 そしてというのだ。
「その強さも手に入れるぞ」
「そうしますか」
「そして四国を手に入れてあわよくば上洛し」
「織田殿と、ですか」
「手を結びな」
「織田殿は天下人となられ」
「そしてな」
 そのうえで、というのだ。
「わしは四国の覇者としてな」
「治められますか」
「上洛は考えておるが天下人までは考えておらぬ」
 それが元親の考えだった。
「そこまではな」
「考えておられませぬな」
「だからな」
「それで、ですな」
「我等はな」
 まさにというのだ。
「まずは土佐の統一を行うぞ」
「そして土佐一国からですな」
「四国全土といこうぞ」
 こう話してだった。
 元親は今暫くの間は領地を治めることにした、そうして次のことに駒を
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