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戦国異伝供書
第八十二話 本山城へその十

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「どうしてもじゃ」
「兄上は果たされたいので」
「だからじゃ」 
 その為にというのだ。
「和睦の時が終わればな」
「即座にですか」
「兵を動かす」
「そうされますか」
「そしてな」
「安芸家を倒す」
「そうする、ではな」
 今はとだ、元親はあらためて述べた。
「政に専念するとしよう」
「わかり申した」
 親益も頷いた、そうしてだった。
 長曾我部家は一条家の申し出を受けて今は安芸家と和睦をした、安芸家もそれに従い今は土佐は穏やかになった。
 だが元親は今はだった。
 政に励みそうしてだった。
「槍をですか」
「より長くしてな」
 親貞にこう答えた。
「そしてな」
「そのうえで弓矢もですな」
「増やす、具足も動きやすくする」
 そちらもというのだ。
「上方の具足の様にな」
「ああしていきますか」
「そして足軽達は手足を守れ」
 胴や頭だけでなくというのだ。
「よりじゃ」
「身体を守ってですか」
「戦う様にする」
「そうしていきますか」
「うむ、今のままではな」
 どうにもというのだ。
「手足の怪我から動けなくなる」
「そうしたことが多いので」
「小手や脚絆等を身に着けてな」
 そうしてというのだ。
「己をより守るのじゃ」
「そうすべきですか」
「素足よりも何か履いておる方が怪我は少ないな」
「確かに」
 親貞は兄のその言葉に頷いた。
「それは」
「だからじゃ」
「これからはですか」
「足軽達も手足を守るのじゃ」
「そうしてですな」
「より戦える様にする、しかし」
 元親はここで難しい顔になり言った。
「鉄砲はか」
「はい、それはです」
 親貞は鉄砲については苦い顔で述べた。
「どうしてもです」
「この土佐ではか」
「手に入りませぬ」
「どうしてもか」
「上方や尾張、薩摩では確かに広まっていて」
「他の家もじゃな」
「武田家や上杉家も使っていますが」
 それでもというのだ。
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