TURN36 タイの提案その十一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
シャルロットは双方にだ。天真爛漫そのものの笑顔で言うのだった。
「さあさあ皆さん、ご馳走にワインも楽しまれて」
そうしてだというのだ。
「踊って下さいね」
「まあお互いに手を取り合ってな」
フランスもシャルロットの横で言う。
「楽しくやろうぜ」
「皆さん、今宵は無礼講ということで」
「賑やかにやろうね」
フランス妹とセーシェルもシャルロットの横にいた。そこから双方に声をかける。
「楽しく過ごしましょう」
「飲んで食べてね」
「祖国殿がそう仰るのなら」
「それでいいけれどな」
お互いの祖国に言われてはだ。彼等もだった。
頷くことにしてそのうえでだ。お互いに手を取ってだ。
舞踏をはじめた。シャルロットはそれを見て目を細めさせていた。
そのシャルロットも見てだ。フランスは微妙な顔になって首を捻りながらだ。妹にこう囁いた。
「これどうだろうな」
「成功かどうかですか」
「ああ、微妙な空気だよな」
「はい、確かに」
フランス妹もそのことは感じ取っていた。それで言うのだった。
「この状況は」
「正直な。俺も最初に王女さんの提案を聞いた時にはな」
「私もです」
「驚いたよな」
「何かと思いました」
二人はそれぞれ言う。
「実際オフランスはこの星域とセーシェルのことは植民地にしか思っていません」
「ああ、そうなんだよな」
「そして現地の方々もです」
そのアライグマそっくりの彼等もだというのだ。
「オフランスには反抗心を持っていますので」
「だよな。だからな」
「こうしたことをしてもです」
「何の意味もないと思うんだけれどな」
「しかしシャルロットさんはあえて行われました」
現地の者達も招いた舞踏会を開いたというのだ。
「驚かないでいられません」
「だよな。どうなんだろうな」
「溝が確かにあります」
見てわかるまでにだ。それが確かにあった。
「しかしそれに気付いておられるのかいないのか」
「無意識でも気付いてるだろ」
シャルロットでもだ。そうだというんだ。
「けれどそれでもな」
「こうしてあえてですか」
「舞踏会を開くっていうのはな。確かに凄いな」
「いい意味でのお言葉ですね」
「ああ、そうだよ」
その通りだとだ。フランスは妹の問いに答えた。
「大人物であるのは確かだな」
「誰であろうと公平に接されますし」
「ただ筋がいいだけじゃないな」
統治者として、軍の指揮官としてだというのだ。
「まあ。最初はこんなもんか」
「双方の間もまた」
「ああ、また開いて今もな」
「今のこの舞踏会もですね」
「ここでも一緒に踊るか」
フランスがこう言うとだ。既にだった。
シャルロットはビルメを取っていた。ビルメはその彼女を見ながら問
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ