装者達のサマーバケーション
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てしまう。
(耐えろ……! 耐えるんだ、俺の理性! 今、困ってるのは響なんだぞ! ……ん?)
理性を保つ為に目を瞑りかけた翔。
すると、軽くだが何かが手先に触れる感覚があった。
目を開けるとそこには、オレンジ色の水着がプカプカと浮いていた。
「あった……あったぞ、響!」
「あっ! ありがとう翔くん!」
響は慌てて上の水着を受け取ると、近くの岩陰に隠れて着け直し始める。
その間、翔は誰も覗きをしないよう、しっかりと見張っていた。
(危なかった……。ギリギリだったぞ……)
「もう、大丈夫だよ。ありがとう翔くん」
岩陰から出てきた響が、ニコッと笑顔を見せる。
太陽の日差し以上に眩しいその笑顔に、翔は思わず目を伏せた。
(可愛いが過ぎるッ! 俺の響って可愛すぎないか? 正直言って陽射しより、こっちの方が俺には眩しい……)
「ほらほら! 海は始まったばかりだよ? それ!」
「わっぷ!? またやったな!」
隙あり、と水しぶきをかけられ翔は現実に戻る。
「よし! 次は泳ぎで勝負だ!」
「うん! 負けないよ!!」
さっきまでの空気は何とやら。
あっという間にいつもの雰囲気に戻った2人は、再び泳ぎに向かうのであった。
「アイツらホンッッット、人目も気にせずイチャイチャしやがって……。そう言うのは家で……いや、今回は家じゃできないか。はぁ……」
遠目で翔と響の様子を見ていたクリスは、半ば呆れながら溜め息を吐いていた。
当のクリスはと言うと、車の中に忘れ物をしたからと場を後にした純を待っていたのだが……。
そこへ、不埒な輩が近寄って来た。
「ヘイ彼女、もしかして1人?」
「いや、悪ぃな。生憎とあたしは今、待ち合わせの真っ最中だ。ナンパなら他所を当たりな」
いかにもお前泳ぎに来てねーだろな格好の男が、クリスに絡もうとしている。
クリスはうんざりしながら払い除けようとするが、当の男はお構い無しとクリスに詰め寄る。
「その間ヒマでしょ? 1人でいるよりさぁ……楽しい事しようよ?」
「おいっ! 離せッ! このッ……しつけぇんだよ!」
無理矢理腕を引っ張る男にクリスは抵抗し続けるも、クリスは一学年歳下の響より背が低い。
あまりの体格差に負けそうになっていたその時である。
男の背後からやって来た少年が、その手首を掴んでクリスから引き離す。
「やめてください……。彼女、嫌がってますよ」
「あぁん? 何しやがる!」
男が振り返ると、男の手首を掴んでいる少年……純が、丁度眼鏡を外した所だった。
「僕の彼女に手を出すなんざ……2万年早いぜって言ってんだよ!!」
「ヒィっ!?」
有無を言わさぬ怒りの
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