装者達のサマーバケーション
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ルナアタックを解決した二課の面々は、慰安旅行として海に来ていた。
本当は保養所の一つであるプライベートビーチを使いたかったのだが、諸事情あって今回は一般のビーチである。
ちなみに未来は今回、里帰りと重なってしまい不参加となってしまった。
次の機会があれば必ず参加する、と食い気味に言っていたのをその場にいた全員が覚えているとか。
「海だー!! 海だよ翔くんッ!」
「落ち着けって。海は逃げたりしないぞ」
オレンジ色のフリフリとした水着を纏う響が、思いっきりはしゃぎぐ姿。
落ち着くように、と言いながらも翔の本心はというと……。
『可愛すぎだろ響……。いや、普段も可愛いけど、今回は一段と……やべぇ、見てるだけでも心拍数が上がっちまう……』
平常心を保てるよう、湧き上がる感情をの波を必死に抑えている所であった。
「それより、良いのか……? 胸の傷……了子さんから折角メイク道具を貰ったのに、使わないって」
「うん。了子さんには悪いけど、わたしはこのままでいいの」
響は胸の、音楽記号のフォルテによく似た形をした傷跡に触れながらそう言った。
「わたしにとってこの傷跡は、全然恥ずかしいものじゃない。この傷跡は、ガングニールと一緒に奏さんから受け継いだもの。わたしの誇りなんだ」
「響……」
「それに、この傷跡は翔くんとお揃いだもん。隠す理由なんてないでしょ?」
翔の胸にも残る、同じ形の傷跡。
そっと指先で触れて、響は微笑んだ。
「そうか……。要らぬ心配だったな」
「えへへ。でも、ありがとう」
「……よし! 泳ぐ前に、まずは準備体操からだ!」
「了解! 未来の分まで楽しんじゃうぞ〜!」
顔を見合せ微笑み合った後、しっかりと準備体操をした2人は、手を繋いで海へと駆け出した。
(オイオイ……なんでこっち見てんだよぉ……!)
一方、赤に白のフリルが付いた水着を纏い、クリスはいざ、ビーチへと踏み出そうとしていた。
……のだが、周囲から自分へ、特に胸辺りへの好奇の視線を感じ、クリスは立ち止まってしまう。
すると、純が彼女を庇う様に抱き寄せた。
隣に男がいるのを見て、周囲の視線は散り散りになって行く。
「ありがとな。純くん」
「どういたしまして。さぁ、行こう」
クリスは純の腕に自分の腕を絡め、共に歩み出す。
ナンパ避けまで完璧。流石はOUJIである。
その一方で……
「翼さん、警戒しすぎるとかえって怪しまれますよ」
「ですが……」
青い水着を纏う翼は、一般人の多いビーチに、ついつい周囲を警戒してしまっていた。
「今日はアーティストとしての風鳴翼はお休みなんですから。肩の力はもう少し抜いた方がいいと思いますよ?」
「それはそうなの
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