第5話 VS炎龍
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
闘態勢に移行した。
先に駆けつけたのは自衛隊の方だった。彼らは炎龍に向けて射撃を開始するが幾ら撃っても炎龍の強靭な鱗に弾丸は弾かれてしまう。
自衛隊は炎龍の火炎攻撃を何とか回避するのが精一杯だった。
(このままじゃ避難民もろとも全滅してしまう!!どうすれば……!!)
その時、千堂は車窓からとある親子の姿が見えた。倒れて動かなくなった母親を子供が泣き叫びながら、迫る炎龍から逃げる為、懸命に母親の手を引っ張っていたのだ。
それを見た瞬間、千堂の脳裏にとある光景がフラッシュバックした。
―――――――――――――――――――――――――――――――
真っ白の隔離病室のベッドの上で隣り合った2人の男女がもがき苦しんでいた。男女はそれなりに若く、さらに男女の身体のあちこちには植物のツタが絡みついていた。
隔離病室の透明ガラスの向こう側では幼い少年と初老の老夫婦が悲しげに男女を見つめていた。
すると突然、2人は苦しみの余りうめき声を上げ、胸を押さえてシーツの中でもがいた。
「お父さん!お母さん!」
少年は窓ガラスを叩いて叫ぶ。しかし、それも虚しく2人の動きは徐々に弱々しくなっていき、やがて動かなくなった。そしてほぼ同時に2人の心電図モニターが「ピー」という音と共に心停止を告げる。
やがて防護服を着た2人組の男達が男女の脈と瞳孔の反射具合を調べる。
「21時32分……ご臨終です。」
それを聞いた老夫婦は泣き崩れ、少年は窓ガラスをさらに力いっぱい叩き続けて泣き叫んだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――
千堂は頭を押さえてうずくまっていたがすぐに顔を上げる。そして避難民を救う為に"とあること"を決意する。
(彼らを救うにはこれしかない!)
「伊丹2等陸尉!後は頼みます!!」
「あっ……ちょっと待っ…。」
千堂は自衛隊の軽装甲機動車のドアを開け広げると車の外へと勢いよく飛び出した。
そして地面に転がるようにして着地すると体内ナノマシンを通じて加頭の乗っている装甲機動車に無線を送る。
「加頭!!切り札だ!オーちゃんをトカゲ(炎龍)の方に放て!!!」
「え!?マジですか!?
それに切り札ですよ!?もう使ってしまうんですか!?」
「いいから早くしろ!!!!」
「わ、わわ、分かりました!」
加頭は鳥籠の鍵を解錠して扉を開け広げる。
「イッテキマス!イッテキマス!」
オーちゃんは鳥籠を抜け出して翼を広げると装甲車の車窓から炎龍の方へと強く羽ばたいた。
オーちゃんが飛び立ったのを確認した千堂は軍服の内ポケットから、翼のついた金色のガイアメモリを取り出してメモリ側面のスイッチを押し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ