第5話 VS炎龍
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伊丹ら自衛官は目の前で起きたことが信じられずに狼狽する。
「これで分かったでしょう。戦闘員も立派な戦士であり、決して舐めてかかってはいけないということを。」
「そうですね…彼が味方で頼もしい限りです………。」
伊丹達は戦闘員という存在を畏怖し始め、同時に彼らショッカーと共闘していることに安心感を覚えた。もし、敵対していたらと考えるとゾッとした。
コダ村の人々を護送してから既に3日が経過した。その日、エルフの少女が目を覚ました。
「黒川、どうだ?少女の様子は?」
伊丹は医官でもある黒川にエルフの少女の様子を聞いた。
「伊丹2等陸尉…血圧は安定していますし、意識も回復しつつありますわ。今も薄っすらと開眼しています。」
「それにしてもまいりましたね。
遅々として進まない避難民の列、次々と
湧き起こる問題。増えていく一方の傷病者と落伍者、おまけにこの前の雨で道路状況も最悪。
逃避行というものがここまでツラいものだとは………。」
助手席にいた千堂が後方の避難民の馬車の隊列を見て呻くように呟く。
避難民達は皆、極度の暑さと疲労で勢いがなくなっていた。
―とある馬車では荷車の車輪がぬかるみにはまって動けなくなっていた。
「メリザ、行くぞ!それっ!」
ハイヤッと手綱を引くが馬は動かない。
「こんな所で動けなくなったら野垂れ死にしちまうよ。だ、誰か!手を貸しておくれ!!」
しかし皆、自分のことで精一杯であり、誰も助けに行かない。
(神様なんて在るだけで誰も救われない―誰か助けて、誰か。)
「はまっているだけだ!押すぞ!」
イワンが戦闘員を2,3人引き連れて、後ろから荷車を押す。
急なことでその馬車に乗っていた一家は呆気にとられる。
「もっと気合を入れろー!!!」
「「「イッーー!!!」」」
やがて荷車はぬかるんだ道から抜け出した。
「次の馬車のところに行くぞ!」
「あんた達!ありがとう!」
それを聞いた戦闘員の1人はショッカー式敬礼をして行ってしまった。
「…誰だい?あの人らは?」
「さぁ、どこの兵隊だろうね。」
「ホラ、炎龍が出たって村に伝えに来た妙な黒服の方の仲間さ。異国の人らしいが人が良すぎやせんかね。」
避難民の隊列は先頭に千堂と伊丹が乗った自衛隊の装甲機動車、避難民らの馬車、そして最も後方にイワンら戦闘員の装甲車と続いていた。
先頭車に乗っていた伊丹がチラリとバックミラーを見る。
そこには荷台から不思議そうにバックミラーを覗き込む少年が映っていた。
荷台では負傷者や妊婦、子供といった逃避行の際に足手まといとなるような人を乗せていた。
また
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