コラボ特別編:響き翔く天の道
響き翔く天の道
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「わたしの……わたしの翔くんはッ!」
本物と偽物。全く瓜二つな二人の翔を見据え、響は深く息を吸い込み、胸の歌を口ずさむ。
「──Balwisyall Nescell gungnir tron──」
黄色い閃光と共に、ガングニールのシンフォギアが響の身体を包む。
そして響は拳を握り、勢いよく突き出した。
「うぉりゃああああああああぁぁぁッ!!」
「ッ!?」
響の拳が向かった先は、彼女から見て左側の翔だった。
一直線に突き進む剛拳が、そのまま翔の顔面に突き刺さる……。
──と思われた。
だが、鼻先の寸前で響の拳はピタリと停止し、ゴウッ!という音と共に、強い風圧が翔の身体を突き抜けて行った。
そして、翔は身動ぎすらせず直立し、響の瞳を真っ直ぐに見つめたまま微笑んだ。
「やっぱり……。信じてたよ、翔くん」
「ああ。よく見つけてくれたな、響」
次の瞬間、翔は隣で驚き顔を強ばらせたもう一人の翔を、力の限り蹴り飛ばした。
「ぬぎゃっ!?』
もう一人の翔は派手に地面を転がり、次の瞬間、その姿が歪み、アキャリナネイティブの姿へと戻っていった。
『何故だ!?お前の姿は、記憶も含めて完全にコピーしたはず……俺の擬態は完璧だった筈だ!いったい、何を理由に俺の擬態を見破れたと言うのだ!?』
動揺するアキャリナに、響は拳を下ろして答える。
「本物の翔くんなら、きっとわたしの事を信じてくれる……。わたしの拳に乗せた想いに気付いてくれると思ったんだ。だから、当たるギリギリの所を狙ったんだ」
『馬鹿な!?最愛の者に拳を向けられたのだぞ!?何故平然と立っていられるのだ!?』
アキャリナに指をさされると、翔は不敵に笑い、さも当然であるかのようにこう返した。
「ネイティブは確かに、人間の外見や記憶を寸分違わずコピーする事が出来る。だが、その人間が抱く信頼や想いまでは、決して真似する事は出来ない!!」
嘗て、神代剣という青年をコピーしたワームがいた。
しかしそのワームは、目の前で姉を殺された事で怒りに燃えていた剣の記憶をコピーしてしまったが故に、その身に彼の魂を焼き付けてしまったのだ。
その結果、そのワーム……スコーピオンワームの自我は、人間として死んだ神代剣本人のものへと上書きされた。
最期は神代剣としての心を残したまま、ワームとして死ぬ結末を選ぶ事さえ成したのだ。
それを知っているからこそ、翔はこう言ったのだ。
装者の抹殺を目的としている限り、アキャリナはこの心までは複写できないのだと。
たとえ複写出来たとしても、その時点でネイティブとしてのアキ
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