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おっちょこちょいのかよちゃん
46 ピアノへの情熱
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杯を持ってる人が清水に来てるんだ。私、今日、その人に会ったんだよ」
『本当かい?どんな人だった?』
「私達と同じ三年生で、東京から来て教会のピアノを借りて練習してるの。名前は安藤りえっていうんだ」
『やっぱりそうだったのか・・・。それは誰から聞いたんだい?』
「御穂津姫って御穂神社の神様が現れて聞いたんだ」
『御穂神社の神か・・・。分かった、ありがとう』
「うん、じゃあね」
 お互い電話を切った。

 長山は電話を切った後、考える。
(御穂神社の神が山田のお母さんにあの杖を渡し、その隣の家の人のおばさんに護符を渡したって訳か・・・)
 そして長山はある事を考えた。
(行ってみよう、御穂神社へ・・・)

 翌日、かよ子は早速例の教会へと向かった。入口に到着すると、他に何名かがいた。よく見ると、学校の友達だった。まる子にたまえ、藤木、そして大野と杉山だった。
(す、杉山君達がなんで教会に・・・!?)
 かよ子には理解できぬ事であった。まる子たちは教会に入っていく。かよ子も後を付いて行った。
(そういえば、りえちゃんは私が来る前にも他に友達ができたって言ってた・・・。もしかして、それってまるちゃんや杉山君達・・・!?)
 かよ子は気づかれずについて行こうとしたが、おっちょこちょいをここでやってしまう。廊下の曲がり角を曲がろうとした途端、肘を壁にぶつけてしまったのだ。
「何だ!?」
 前にいた皆が振り返った。かよ子はばれてしまい、あたふたした。ぶつけた肘の痛みを手で抑えながら、かよ子はその場で動けなくなってしまった。
「か、かよちゃん!?」
「な、なんでお前がいるんだよ!?」
「あ、いや、その・・・」
 その時、礼拝堂のドアが開いた。
「あら、皆、おはよう」
「ああ、りえちゃん」
「あ、遊びに来たよ〜」
「ありがとう」
 その時、りえはその奥にかよ子がいるのを見つけた。
「あら、かよちゃんっ!」
「り、りえちゃん・・・」
「り、りえちゃん、山田とも友達なのかい・・・!?」
 藤木が驚いて聞いた。
「うん、昨日皆が帰った後に会ったの」
「そうだったんだ・・・」
「そっか、りえちゃんが友達になった子って、杉山君達だったんだね・・・!!」
「うん、もしかして、皆かよちゃんの友達なのっ!?」
「そ、そうなんだよ」
 りえは世界の狭さに驚愕した。
「そうだ、かよちゃんも一緒に遊ぼうよ!」
 たまえが呼んだ。
「う、うん!」
「山田あ、おっちょこちょいに気を付けろよお!」
「す、杉山君・・・!」
 かよ子は好きな男子から冷やかされて恥ずかしくなった。
「まず、何からやろうかあ?」
 まる子が聞く。
「俺、空き缶持ってきたんだ、缶蹴りやろうぜ!」
 大野が提案した。
「いいわねっ!
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