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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第5節「装者同士の戦い」
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るはずなどない。
姉バカじみているが、翼は翔の実力を信じている。

クリスもまた同様に、純の強さを信じているからこそ、自分も負けられないと意気込んでいた。

それぞれの信じる者が戦っているからこそ、二人は闘志を燃やす。

「やめようよ、こんな戦いッ! 今日出会ったわたし達が争う理由なんてないよッ!」

……と、ここで口を開いたのは響だった。

以前も似たような言葉を聞いた気がする、と翼とクリスは思い出す。

響は人間を相手に戦う事に抵抗がある、元来のお人好しだ。
相手が人間となれば、そこが戦場だろうと関係なく、戦うよりも話し合う事での解決を望む。

それは、決して悪い事ではない。二人はそれを、身をもって知っている。

あの時は「戦場で何を馬鹿な事を」と一蹴したが、彼女と手を繋ぎ、話し合ったからこそ今の自分はここに立っているのだ。

だからこそ、二人は響を止めようとは思わない。

止めても無駄だと分かっているし、彼女が自分なりの信念を持ってそう言ってるのだと、今の自分達は知っているのだから。

……だが、黒の装者達は違う。

「そんな綺麗事をッ!」
「──えッ?」
「綺麗事で戦う奴の言う事なんか、信じられるものかデスッ!」

調は響を歯ぎしりとともに、侮蔑に染まった目で睨みつける。
切歌は右手に握った大鎌で響を指しながら、調と同じく厳しい視線を向ける。

その姿は、あの日の翼とクリスによく似ていた。

「そんな……話せば分かり合えるよッ! 戦う必要なんか……ッ!」
「……偽善者」
「……え?」
「この世界には、あなたのような偽善者が多過ぎる──だからそんな…世界は… 伐り刻んであげましょうッ!」

再び歌い始めた調の丸鋸が、響を狙って射出された。

「あ──ッ!」

装者同士の戦い。その火蓋は、対話の観念を生温いと一蹴された上で、容易く切って落とされてしまった。
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