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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第5節「装者同士の戦い」
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話はベッドで聞かせてもらうッ!」

旋回し、トドメのもう一撃……!

マリアに迫る翼の追い討ち。最早避けるには間に合わないと思われた……その瞬間だった。

月下の宵闇を切り裂いて、小さな影が飛び出した。

ff

その頃、ライブ会場上空。
翔は夜風を切って滑空し続けていた。

目的地はすぐ目の前、このまま開放された天井から降下すれば、戦場の真っ只中に降り立つ事が出来る。

そう思っていた翔だったが……その時、眼下の一点で何かが赤く光った。

「──ッ!?」

身を捩った次の瞬間、赤き閃光が頬を掠め、空へと向けて伸びていく。

「ッ! 狙撃だとッ!?」

射線から狙撃手の居場所を割り出そうとした瞬間、第二射が迫っていた。

「くッ!?」

第三射、第四射と襲い来る赤き閃光。
それが通常兵器では無い事に、翔は気付いていた。

(馬鹿な!? この射程の光学兵器なんて、今の技術じゃありえない! それを可能にする存在があるとすれば……間違いなく、異端技術ッ!)

会場に近付く度に、レーザーが避けにくくなっていく。

しかし、そのレーザーはギリギリ命中しそうでこそあるものの避けられない訳ではない。
そんな絶妙な位置を狙って放たれている事に、翔は気付いた。

つまり、狙撃手は翔を撃墜するために撃っているのではなく、誘っているのだ。

まだ姉や本部が気付いていない伏兵……おそらく、目的はこちらの足止めだろう。

見過ごせばステージで戦う姉や自分を、容赦なく狙撃して来る……。そう気付いた翔は、この見え透いた誘いに乗ることを選んだ。

「だったら……ッ!」

翔はそのまま、ギリギリまで滑空を続ける。

加速が不要になる地点まで到達すると、翔はアームドギアを背部から脱着し、そのまま自由落下へと移行する。

そして会場の外壁へと数発、光矢を射出する反動で勢いを減衰させながら、そのまま外壁を蹴り抜いた。

「っ……とッ!」

蹴り抜いた壁から飛び降り、先程まで観客達が大勢移動していたであろうだだっ広い廊下を数歩進む。

静寂の中、足音がやけに大きく響く。

すると突然、前方の天井に大穴が開き、人影が着地する。
どうやら狙撃手は向こうから姿を現したようだ。

「こちらの誘いに乗ってくれるとは、中々気が利くじゃないか。そういう男はモテる。間違いない」
「……お前は?」

黒字に真紅のインナースーツ。胸部、両肩、両腕、両脚を、その上から黒に一部が銀色のプロテクターが覆っている。
特に目を引くのは、明らかに重装備となっている右腕のアーマーだ。

手首の部分は銀色のリング状になっており、リボルバーのような窪みには、見知った赤いコンバーターが嵌め込まれている。


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