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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第5節「装者同士の戦い」
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一瞬にしてその弓は、まるで背中に生えた羽の様な形へと変わっていた。

弓、刀、琴に続く、アームドギアの新たな形状。
それは、翔をその名の通り空へと翔かせる「翼」の姿。

ただし、エクスドライブモードの飛行能力とは違い、長時間・長距離の飛行には向かないもの。
あくまでも短距離移動……目的地へのショートカットや、跳躍からの滞空がメインの運用方法である。

「いざ、参らん! 姉さんの立つ、戦場へッ!」

翼から噴射されるジェットで加速し、翔はあっという間にヘリを追い越して進んで行った。

向かうは愛する姉の傍。

ライブを滅茶苦茶にされた怒りを握り、翔は翔いて往くのであった。

ff

マリアは翼の振り下ろす剣を華麗に躱し、跳躍と共にマントを翻す。

その瞬間、マントは翼の方へと一直線に伸び、拳を叩き付けるが如く、翼の身を弾き飛ばした。

「──ッ! このガングニールは本物ッ!」
「ようやくお墨を付けてもらった。そう、これが私のガングニール。何者をも貫き通す、無双の一振りッ!」

再び翼の方へと接近すると、マリアは跳躍、回転を繰り返す。

黒いガングニールのマントは、マリアの動きに合わせて変幻自在にその姿を変えていた。

こちらから攻撃すれば、それを弾く強固な盾に。
逆にマリアからは、その一挙手一投足に合わせて標的を自動攻撃する鈍器に。

攻防一体の万能兵装に、翼は少し押され気味だ。

マリアがマントを広げ、再び独楽のように回転しながら翼を襲う。

「だからとてッ! 私が引き下がる道理など、ありはしないッ!」

しかし、翼を相手に同じ手は何度も通用しない。

今度はその刀で、見事にマリアのマントを受け止めていた。

──と、ここでマリアに通信が入る。

『マリア、お聞きなさい。フォニックゲインは、現在22%付近をマークしています』

マムからの言葉に、マリアは瞠目した。

(あと78%も足りてないッ!?)

一瞬の動揺。その瞬間、翼は刀を手放して跳躍する。
刀にかけていた重心が乱れ、マリアは回転をやめて立ち止まった。

この隙を逃さず、翼は展開したギアの腿部分から二本の両刃剣を引き抜くと、柄を繋げて合体させる。

双刃刀型となった翼のアームドギアは、回転と共に刀身へと火炎を灯す。

「私を相手に気を取られるとはッ!」

右手で双刃刀をプロペラのように回転させ、両足のブレードをウイングとして展開し、翼はステージを滑空する。

「幾千幾万、幾億の生命ッ! 全てを握りしめ振り翳す──」

回転と共に激しさを増す赤き炎。
それは烈火の翼が如く、すれ違いざまにマリアを切り裂き燃え上がった。

〈風輪火斬〉

「うっ……ぐっ!?」

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