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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第5節「装者同士の戦い」
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翼がマリアと剣を打ち合わせている頃、中継でその様子を見ていた響達には焦りが広がり始めていた。

「中継されてる限り、翼さんはギアを纏えないッ!」
「オイ!もっとスピード上がらないのかッ!」
「あと10分もあれば到着よ!」
「それで間に合うのかッ!」
「翔……」

翔はヘリの速度と到着時間から、会場までの距離を逆算する。

(くッ……この距離だと途中で墜ちるのは確実……。せめてあと半分は距離を詰めないと……!)

「ッ!翼さぁぁぁぁぁんッ!!」

響の悲鳴で思考を中断し、何事かとモニターを見る。

そこには、ノイズの群れのど真ん中へと投げ出される姉の姿があった。

「ッ!? 姉さんッ!!」

唄わなければ死。

唄えば歌女としての人生が終わる。

そうなった時、姉がどちらを選ぶのかはよく理解しているが、だからこそ翔は叫ばずにいられなかった。

「翼さんは……歌を、捨てるつもりで……」
「姉さん! 姉さぁぁぁぁぁんッ!!」

『──聴くがいいッ! 防人の歌をッ!』



次の瞬間、モニターの画面が暗転した。

「うええええッ!? なんで消えちゃうんだよー! 翼さん! 翼さぁぁん!」

響はモニターを両手で掴んで揺らす。
それを翔が、慌てて止めた。

「待て響! モニターが壊れるぞ!」
「だって翼さんが!」
「落ち着け、画面をよく見ろ」

見れば、画面の真ん中には『NO SIGNAL』と表示されている。
それはカメラの破壊では無く、回線の切断を意味する言葉だ。

「って事はつまりッ!」
「ええ!」
「間に合ったんだ!」
「え?え?」

クリス、友里、純までもが納得する中、一人だけわけが分からない、という風に首を傾げて間の抜けた声を出す響。

翔はクスッと笑うと、どこか自慢げに説明する。

「NO SIGNAL……つまり、中継が遮断されたという事。今あの場でカメラの回線を遮断できる、翼さんの歌が何より大事な人は誰だ?」

「へ? …………あっ!!」

響はようやく納得したように手を叩く。
翔は暗転したモニターを眺めながら、誰にともなく呟いた。

「やっぱり、姉さんにはあなたがいないと……。緒川さんッ!」

ff

「──Imyuteus Amenohabakiri tron──」

翼の身体が青い閃光に包まれ、その身を一振りの剣へと変じさせる。

白地に青、黒を差し色としたインナースーツ。

その上から装着されるプロテクターは、細く、鋭利なパーツが揃う。

両足の側部にはそれぞれウイングを思わせる形状のブレードが備え付けられており、ヘッドギアやサイドテールを纏める髪留めにも、剣の切っ先を思わせるパーツが目を引く。


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