暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第26話:一時の静けさ
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 クリスと透と言う装者と魔法使いのコンビに颯人達が煮え湯を飲まされてから早数日が経っていた。

 その間、響は弦十郎との鍛錬に精を出し、颯人は驚異的な速度で傷を癒し奏と共に模擬戦を繰り返して互いに切磋琢磨していた。

 彼も何だかんだであの時の敗北は悔しいのか、かなり実戦を意識した鍛錬で奏と時々は響も交えて激しい鍛錬を行っていた。

 フレイムスタイルでのオーソドックスな戦闘訓練は勿論の事――――――

「ほれほれ攻撃当ててみなっ!」
「だぁぁっ!? 当たっても意味ないだろうがッ!?」

 ある時はウォータースタイルでリキッドの魔法を使い、液状化した体で奏を翻弄した。ただでさえ液状化して攻撃が通用しない上に、液状化しているが故の不規則極まりない動きは奏を大いに困惑させる。

 また時には――――

「ぶーんぶぅーーん! おらおら、ちんたら走ってると当てちまうぞ?」
「クッソ!? 空飛べるからって調子乗りやがって、チクショウッ!?」

 ハリケーンスタイルとなり空中を自在に動き回るウィザードに追い掛け回され、ロクな反撃も許されず終始逃げに徹せざるをえなかったりもした。

 そして更には――――

「響、行くぞッ!」
「はい! うおぉぉりゃぁぁぁぁぁっ!!」

 奏と響、2人揃って突撃する先に居るのは、これまでに見せた事の無い新たなウィザードの姿。アーマーと仮面の色が黄色いウィザードは、突撃してきた2人の攻撃を一人一本の腕だけで受け止めてみせた。

「何ぃっ!?」
「嘘っ!?」
「へっへっへっ、力には自信のあるスタイルなんで、ねっと!!」
「わぁぁぁぁっ!?」
「ひゃぁぁぁぁっ!?」

 ウィザード4つ目の姿、ランドスタイルによる力技で2人同時に圧倒される奏と響。

 この様に1人で様々な戦いが出来るウィザードを相手とした鍛錬は奏は勿論、弦十郎との修行の合間を縫って時折鍛錬に参加した響にも良い刺激となっていた。

 そうなると今度はウィザード自身にも何か刺激が欲しくなると言うもの。そこでこの男が動いた。

「よしっ! じゃあ今度は俺も参加しようッ!!」

 ウィザードと奏達の鍛錬に刺激されたからか、それとも響との修行で燻ぶっていた何かが燃え上がったからか、ウィザードと奏の鍛錬に弦十郎が参加したのである。

 最初、シンフォギアを纏った奏とそれに匹敵する力を持ったウィザードにただの人間である弦十郎が生身で相手をするなど何の冗談かと颯人は不安を覚えた。一体どれだけ力加減をすればいいのか、と。

 だがそれは非常に甘い考えだった。弦十郎を交えた鍛錬を終えた時、そこにはシミュレーションルームの床で大の字に寝ている奏と心ここに非ずと言った様子で虚空を見つめながら座り込む颯人の姿があっ
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