第4話 共同偵察
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ムだからオーちゃんです。小隊長がつけたんです。」
小型犬にチビ、猫にタマと名付けるぐらい安直な千堂のネーミングセンスに自衛隊員は吹き出しそうになっていた。
やがて伊丹と千堂が向かうはずの村のある森が見えたがそこは黒煙が立ち上り燃え、伊丹達は停車する。
その森を双眼鏡で覗いて、詳しく状況を確認しようとすると、そこでは赤いドラゴンが火炎を吐いて、木々を焼き払っていた。
「伊丹中尉……いえ、2等陸尉、あのドラゴンですが、何もない森を焼き払う習性があると思いますか?」
「いえ、千堂大尉。あのドラゴンは明らか何かを狙って火を吐いてますね。」
伊丹と千堂は分かっていた。ドラゴンが何に対して火炎を吐いているのかを。
「では適当な所に隠れて、ドラゴンがいなくなったら生存者の確認の為に森に入りましょう。」
「ええ、そうしましょう。」
翌朝になってドラゴンが去り、千堂達はドラゴンが焼き払っていた森に入り、生存者の捜索を開始した。
「これで生存者がいたら奇跡っすよ。」
自衛官の1人である倉田が心の中で思ったままをぼやく。
しばらく歩き、やっと村らしき集落についたかと思えばそこも焼け焦げた残骸の山と化しており、水分が抜けきってミイラ化した焼け焦げた死体が辺りには複数、転がっていた。
「伊丹隊長、これって……。」
「倉田、言うなよ。
うへ……吐きそう……。」
自衛官達が意気消沈する中、千堂ら防衛軍の兵士達は力強く進んでいく。
千堂達の所属する防衛軍はショッカーに対する不穏分子、いわばテロリストと戦うことも多く、第1小隊のほぼ全員が実戦経験のある者達であった。ましてや、千堂は不穏分子検挙・掃討の任務を任されることが多く、ミンチ状態の死体を見てもその場でハンバーガーを食べられるくらいに馴れてしまっていた。
「二手に別れましょう。その方が効率的ですし。」
千堂は伊丹に提案し、焼け野原となった村の西側をショッカー、東側を自衛隊と二手に別れ、歩いていく。
結局、千堂の捜索していた東側に生存者は見つからなかった。千堂達が捜索を打ち切ろうとしていたその時―。
「生存者!生存者がいたぞー!!」
自衛隊のいた西側から声が聞こえた。
「何!?生存者が!?」
第1偵察隊が声のした方に駆けつけるとそこには――
気を失って倒れたエルフの少女がいた。
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