第4話 共同偵察
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もし、この場に骸骨戦闘員がいたら伊丹は余りのシュールさに笑ってしまっていただろう。
千堂は自衛隊の車両に乗り、伊丹達と交流を兼ねた異世界語のレクチャーをしていた。ショッカーの体内翻訳装置を駆使して、伊丹が異世界語を話して、おかしければ千堂が訂正するという方法をとっていた。
「サヴァール(こんにちは) ハルウグルゥー(ご機嫌いかが)。」
「そうそう、その感じです。棒読みなのが気になりますが発音は問題ありませんよ。」
(ショッカーの翻訳装置ってすごすぎるんだよぁ。俺ら自衛官が現地の言葉を覚えるのに苦労してるってのに…。)
伊丹はショッカーの科学力の高さを改めて痛感した。
「あなた方の世界は便利ですね。未知の言語にも対応可能な万能翻訳装置があるなんて。」
「いやいや、これもまだ改良の余地があります。」
千堂は伊丹の羨望に謙遜で返す。
ここで千堂は話題を変えた。
「それにしても、まだエルフやドワーフの様な異世界定番の異種族は見かけないですね。」
千堂がエルフ、ドワーフなどの異種族を「定番」と言ったことに驚き、伊丹が反応した。
「おっ、詳しいですね。向こうでもサブカルチャーは盛んなんですか?」
「ええ、我が世界、とりわけ日本エリアはアニメや漫画で有名ですね。
その中でも異世界モノは人気ジャンルの1つです。」
「それはいいですね。国交樹立したら行ってみたいものです。」
傍から見て一見、堅物そうな千堂も例外ではなかった。人並みに漫画やアニメを観て育ち、成人した今でも私物の飛電ライズフォンのマンガアプリで異世界モノをたまに読んでいた。尤もここ数ヶ月は「リアル」で異世界で戦争をしているので異世界モノの漫画を読む気にもなれなかったが。
一方、ショッカー側の車列の先頭車には女性自衛官の栗林と黒川が乗っていた。
栗林と黒川はショッカーの兵士達と話をして交流を深めていた。
「おもしろいものを見せましょう。」
赤を中心とした派手な色合いをしたオウムの入った鳥籠を助手席から持ってきて栗林達に見せる。
「コンニチハ!コンニチハ!」
「わぁー!可愛いオウム!」
「コンゴウオウムですね。加頭少尉のペットですか?」
装甲車の運転席にいた加頭はオウムの方をチラッと見ると笑いながら答えた。
「いえ、我が小隊の切り札です。」
(切り札?こんなオウムが?
おかしいな。ショッカー世界ではペットのことを切り札っていうのかなぁ。)
「名前は何ていうんですか?」
すると加頭は困ったような顔をして、少し考えこんで栗林に言った。
「……オーちゃんです。」
「…それってオウムだからオーちゃんなんですか?」
「そうです。…オウ
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