第4話 共同偵察
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歩も外には―。」
「この佞臣め!
それはアルヌスの敵の話だろう!
オ・ンドゥルゴの敵は既に幾つかの村を占領しているのだぞ!!」
「現在、両方の丘を奪還するため軍の再建を急ぎ―。」
「何年かかると思っておるのだ!
そんな悠長なことではさらなる敵の侵攻を招くだけ…。」
「ピニャよ、もうよい。」
モルトがマルクスを責めるピニャを制止する。
「なるほど、悠長にかまえてはおれん。丁度よい。そなたの『騎士団』、あれと共に双方の丘に屯する敵を見てきてくれぬか? そなたのしていることが兵隊ごっこでなければ……な。」
そして最後にモルトは威厳を込めた目付きでピニャを睨むと「よいか?」と付け加えた。
「……確かに承りました。では行って参ります―――父上。」
「うむ、成果を期待しておるぞ。」
そうしてピニャは退室し、アルヌスとオ・ンドゥルゴ偵察の支度に取り掛かった。
アルヌスでのショッカーと日本国の外交交渉以来、日本国はショッカーと対立を恐れ、諸外国や野党からの反発を抑え、共闘を申し出た。
その時、自衛隊はまだ『門』を越えたばかりで異世界…「特地」の情勢や文化、地理などの情報を把握しておらず、偵察を行い、現地の住民との交流を通して情報収集を行うことから始めようとしていた。
ショッカーとしてもアルヌス付近の詳しい状況を知るため、自衛隊と共同作戦を展開する方針を日本政府に提案した。
お互いに友好的な印象を与えることができ、ショッカー側の軍事力の一端を知れる。日本政府はこれを快諾し、自衛隊の偵察隊とショッカー防衛軍の偵察隊とで合同偵察隊が4つ編成された。
また、ショッカー側は異世界の住民と体内ナノマシンによる自動翻訳による意思疎通がとれることから、この共同作戦では防衛軍の偵察隊は自衛隊と住民の通訳も務めることとなっている。
「ショッカー防衛陸軍少佐 千堂印一です。日本国陸上自衛隊第3偵察隊の皆様、よろしくお願いします。」
「日本国陸上自衛隊2等陸尉の伊丹耀司です。こちらこそよろしくお願いします。」
そしてお互いの偵察隊のメンバーが正面を向いて整列し、敬礼する。
(うわぁ、まんまナチスドイツだよ。)
伊丹は千堂の軍服とショッカー式敬礼を見て、心の中で呟く。
防衛軍は右手を空に掲げる独自の敬礼をする以上、どう見てもナチス式敬礼に見えてしまうし、何より軍服のデザインがモロそのまんまなのである。
今回の合同偵察隊に骸骨戦闘員はいない。…というのも住民との意思疎通による情報収集であるため、強力な敵との戦闘や粛清を目的に養成された存在である骸骨戦闘員をメンバーにいれる必要はないという上層部の判断である。
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