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提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・52
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、す、す、好きだなんて……」

「いや、そこで好きって言うのに詰まっちゃうとか益々怪しいからな?」

 整備班だとか事務員等に男が居ない訳ではないが、基本的に男は俺1人の状況下だ。女同士の恋愛とか、姉妹艦同士での行きすぎたスキンシップだとか、無いとは言わない。それに昔から姉妹艦LOVE勢は一定数居るんだ、今更否定もせんわ。比叡なんかいい例じゃねぇか?お姉様LOVEだって豪語する奴は多いだろう。ま、ウチの比叡は恥ずかしげも無く俺が好きだと迫ってくるが。

「そ、そう言うんじゃないんですよ!ただ、阿賀野姉って放っておくと何するか見てて危なっかしいし、いや、戦闘中とかは頼りになりますけど?家事をやらせてもとんでもない事になりますし……」

「例えば?」

「掃除をすれば何故か割れ物を落として割っちゃって余計に散らかしたり」

「ほうほう」

「洗濯をすると洗濯機から洗剤の泡が溢れてきたり」

「……そんなベタな」

「料理なんて、この間お味噌汁作ろうとしたら何故か鍋が噴火したみたいになりました」

「なんでやねん!」

 思わず関西弁のツッコミが出てしまう程、阿賀野の家事は酷かった。酷い酷いとは聞いていたが、想像以上だった。

「まぁ、そんな姉なんで私が面倒見てあげないとって思っちゃうんですよ」

「あ〜、能代?ちょっと質問なんだが」

「? 何でしょう提督」

「……お前、内心『阿賀野姉ぇのお世話楽しいなぁ』とか思ってたりしねぇよな?」

「うっ!」

 ギクリ、と身体を硬直させる能代。能代は少々……いや、かなり世話焼きな所がある。今だって俺の質問に大量の汗を垂らし、目が尋常でない位泳いでいる。もうバタフライしてんじゃないかって位バッチャバチャ泳いでいる。

「なぁ、どうなんだ?能代。迷惑そうな素振りだったが……少し楽しいとか思っちゃってないか?」

「そ、それは……」

「それは?」

「す、少しだけ……楽しいなぁって感じてます。ハイ」

 漸く陥落した。能代は口では面倒臭い等と言っておきながらその実、だらしのない姉の世話を楽しんでしまっていた。つまりそこから導き出される答えはーーー

「能代、お前ダメンズ好きだったんだな」

「ダメンズ好きって何ですか!」





 いやぁ、女の中には一定数居るんだよなぁ。生活能力低かったりとか稼げないヒモっぽい奴とか、そういう奴……ダメなメンズーー略してダメンズが好きってのが。そういうダメな所が『護ってあげたり、養ってあげたくなる』って、知り合いのクラブのママは言ってたっけな。その人もダメンズ好きで、2〜3人そんなのを囲ってたんだが。

「あれだろ?阿賀野のダメな所が母性本能擽っちゃったりしたんだろ?」


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