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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第4節「胸に力と偽りと」
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気付く者は誰もいない。

ノイズの群れの真ん中へと落下しながら、翼は静かに瞳を閉じていた。

(このまま落ちればノイズにより炭化させられてしまう……。ギアを纏えば歌女としての私は終わりだろう……。だからとてッ、このままやられるわけには行かないッ!)

きっと、自分の歌を楽しみにしている人達は悲しむだろう。

きっと、緒川さんはその誰よりも悲しむだろう……。

でも、こんな所で生命を散らす事の方が、彼らへと残す悲しみは大きい。

なにより、ここで死んでは奏に申し訳が立たないのだ。

それならば──

(決別だ……歌女であったわたし……)

生きて、皆の元へと帰る為に。翼は、歌を捨てる覚悟を決める。

死を以て自分に命を繋げた、片翼(とも)の分まで羽ばたく為に……。

「──聴くがいいッ! 防人の歌をッ!」
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