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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第4節「胸に力と偽りと」
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はその程度の覚悟しかできてないのかしら?」

挑発的な笑みを浮かべ、マリアは翼を煽り続ける。

ノイズ達もまた、ステージの方へと方向を変えていた。

「──フッ!」

次の瞬間、マリアはマイクを逆手持ちに……つまり、レイピア状に形作られていたマイクスタンドをそのまま武器として構え、翼に肉薄する。

「くっ!」

しかし、剣技で遅れを取る翼ではない。

自身のマイクスタンドも剣に見立て、マリアの振るう剣に応戦する。

繰り出される突きを何度も払い、後退。数度の打ち合いで、剣技では敵わないと判断したマリアは、そのまま回転してマントを翻す。

その動きに合わせ、鋼のように硬質化したマントはマリアの身体を包み込み、マリア自身を軸として回転する刃となって翼を襲う。

防ぐ為に構えたスタンドから火花が散り、マントの硬質化に気付いた翼はすんでの所でそれを回避すると、バク転をしながら距離を取った。

マイクスタンドが割られた竹のように、真っ二つに切断されているのを確認すると、翼はそれを投げ捨てる。

「その程度? ふっ!はぁッ!」

マリアは構わずスタンドを振るい、翼を追い詰めようとする。

武器を失い、翼は防戦一方と化しながらも、その剣戟を全て躱し続けていた。

そして、スタンドが振り下ろされた瞬間、翼は左腕の袖を外し、目くらましとしてマリアの顔へと放った。

(よし、カメラの目の外に出てしまえば──)

「はぁッ!」

視界が遮られた一瞬を突き、翼は舞台下手へと走る。

「させるか!フッ!」

投げ付けられた袖を切り裂き、翼の意図に気付いたマリアはマイクスタンドを投擲する。

狙いは翼の脚、腿の部分だ。

だが、それが見えない翼ではない。

スタンドの先端が腿に命中する寸前、見事なジャンプでそれを避ける。

これでマリアの目論見は失敗した……かに見えた。



ボキッ



着地の瞬間、硬質な物体が折れる軽い音と共に、翼がバランスを崩す。
なんと着地の際、ヒールの踵が折れてしまったのだ。

「あなたはまだ、ステージを降りる事は許されない」

僅かな隙が生じた刹那、マリアは翼の背後を取った。

「それでも降りたいのなら、私が降ろしてあげましょう。はぁーーーッ!」

腹へと繰り出された回し蹴りが、ギアで強化された身体能力を以て、翼の身体を薙ぎ払う。

「がッ……ぐううううううッ!?」

受身を取りながらも吹き飛ばされる翼。
その身体はステージを飛び越え、観客席の方へと飛んでいく。

そして、その先には……獲物が来たと言わんばかりに、ノイズが集まり始めていた。

「──ッ!?勝手な事を──」

マリアの声に、戸惑いがあった事に
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