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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第4節「胸に力と偽りと」
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為にも!)

「確かめたらどう? 私の言ったことが、騙りなのかどうか」
「……」

マリアからの挑発に耐え、無言で彼女を睨み返す翼。

その眼差しに、マリアは……。

「──なら、会場のオーディエンス諸君を解放するッ! ノイズに手出しはさせない。速やかにお引き取り願おうかッ!」
「何が狙いだ……?」
「フッ……」

なんと、人質の解放を宣言するのだった。

ff

(フィーネと名乗ったテロリストによる、国土割譲の要求……。ノイズを制御する力を振るい、世界を相手にそれなりの無理を通す事も出来るだろう。だが……)

人質の解放を宣言したマリアに、弦十郎は疑念を抱いていた。

自らのアドバンテージをわざわざ手放す意図が読めない。
手放しても問題ないというのなら、始めから人質など取らなくてもよかったのではないだろうか……?

『人質とされた観客達の解放は、順調です』

と、弦十郎の思考はそこで一旦中断される。

「わかった。後は……」
『翼さんですね。それは、僕の方で何とかします』

一人、ステージに取り残された翼はシンフォギアを纏えない状況だ。

その状況からの脱却を緒川に託し、弦十郎は再び思考を再開する。

現場は緒川と翼、そしてヘリで向かっている装者達が何とかするだろう。
ならば、司令である自分に出来るのは敵の狙いを暴き、装者達が動きやすいようにフォローする事なのだから。

ff

『何が狙いですか……こちらの優位を放棄するなど、筋書きにはなかった筈です。説明してもらえますか?』

ゆっくりと、慌てず、順番に、会場から避難していく観客達。
その姿をカメラで確認しながら、マムと呼ばれる車椅子の女性はマリアに問いかける。

「このステージの主役は私。人質なんて、私の趣味じゃないの」
『血に汚れることを恐れないでッ!』

マムと呼ばれる女性は、厳しい口調でマリアを咎める。
しかし、マリアはただ沈黙で返すだけであった。

マムと呼ばれる女性は、溜め息を一つ吐くとこう続けた。

『調と切歌を向かわせています。作戦目的を履き違えない範囲でおやりなさい』
「……了解マム。ありがとう」

ff

「ヒナ、わたし達がここに残ってても、足を引っ張っちゃうよ」

創世からの言葉に、未来は振り返る。

「うん、でも……」

「立花さん達だって、遅刻してますけど向かってるんですし」
「期待を裏切らないわよ、あの子は」
「あいつらが帰ってきた時、俺達に何かあったら申し訳が立たねぇじゃねぇか」
「家で嵐が去るのを待つことも、僕達に出来る事の一つだ。それは決して悪い事じゃない」

友人達の言葉は、きっと正しい。

だからこそ、何も出来ない自分が恨めしい
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