第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第9話 新生勇美+α:後編
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「勇美……」
「依姫さん、落ち着いて下さい。今の発言には断じて『くそみそ』的なニュアンスは含まれていませんって」
「……本当ね?」
「本当も本当!」
等と、再び二人はギャーギャーとしょうもないやり取りを再開していた。
そこに霖之助が「オホン」と咳払いをした。
「それで……君達の用は済んだかい?」
「勇美、これでいいのね?」
「はい。でもどちらかというと『そんな装備で大丈夫か?』って聞いて欲しかったですね」
「それで貴方は『大丈夫だ、問題ない』って答える訳?」
「はい」
また変なやり取りが始まった。霖之助はまた頭を抱えつつも言う。
「君達は本当に仲がいいね」
その霖之助の指摘に二人は、はっとなり、そして互いに顔を見合わせた。
そして、どちらからともなく吹き出してしまったのだった。
「依姫さん、私達仲が良いって」
「本当ね、まだ会ってからそんなに経ってないのに不思議ね」
そう言って二人は微笑み合った。そんな二人の雰囲気に霖之助も満更でもない心持ちとなる。
だが、話は進めなくてはいけないので彼は続きを促した。
「それで、どうなんだい?」
「はい、これにします」
「勇美も気に入っているみたいだし、これを頂くわ」
「毎度あり」
ここに商談は成立したのである。
依姫が霖之助に代金を支払う傍らで、勇美は話かけた。
「依姫さん、これ着たままで帰りますね」
「ええ、どうぞ。余程気に入ったのね」
「はい、とっても♪」
依姫の指摘通り、勇美はとても嬉しそうにウキウキしながら言う。
「それで、和服を着たからには……」
そこで勇美は一呼吸置き、依姫は何事だろうかと続きを待った。
「パンツ脱いでいいですか?」
その瞬間時が止まった。そして再び時は流れ出すと。
プシュッ。霖之助は鼻血を吹き出してしまっていた。彼とて沈着冷静に見えても男という事だろう。異性のそういう破廉恥な発言は刺激が強かったのだ。
一方で同性、しかも既に既婚者である依姫は霖之助よりも冷静であった。そして冷静に勇美を羽交い締めにしたのだ。
「勇美、何を言い出すのよ」
「うぐぅぅぅ……」
綺麗に技を極められて呻き声を漏らす勇美。
「だ、だって和服って西洋の下着は着けないものですよねぇ〜」
極められながらも勇美は反論する。
「そういうのは今の時代、きっちり守らなくてもいいのよ。第一その丈の短さだと危険極まりないわ」
「そんなぁ……」
依姫に指摘されて勇美はがっくりと首を落とした。彼女は和服を着る時はノーパンをきっちり守ってやろうという野心を今まで抱いていたのだ。それが今砕かれてしまったのだった。
「店主さん、お聞き苦しい発言済みません」
「ああ、気にしなくていいよ。僕は少し気にしてしまうだろうけど」
依
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