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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第9話 新生勇美+α:後編
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ら?」
「それならバッチリ♪ こっちですよ」
 勇美はそう言って依姫を案内した。
「これ……?」
 その服を見た依姫に微妙な空気が流れていた。
「そうですよ、和服を着ながらメカを操るアンバランスさって面白いと思うでしょう?」
 そう、勇美の言葉通り、それは和服だったのである。
「黒は貴方の好きな色なの?」
「はい! だから私の名字の『黒銀』も気に入っているんですよ」
 依姫に聞かれて、勇美は意気揚々と答えた。
「色は……まあ問題ないでしょう」
 それは問題ではなかったのだ。問題は。
「和服なのに、この丈の短さなの?」
 それが問題なのであった。本来和服は丈が足下まで来るものだが、これはミニスカート程のものしかなかったのだ。
「はい、前々から着たかったんですよね〜『ミニ和服』って」
 そう勇美がそう言い表した通りの服なのであった。
「寧ろ、普通の和服の丈で弾幕ごっこする方が大変じゃないですか?」
 負けじと勇美は依姫にミニ丈のメリットを訴えかける。
「確かに」
 それに折れて、依姫は納得したのだ。白玉楼の亡霊姫のように普通の丈の和服で戦える猛者はいる事はいるのだが。
「貴方がそれを選ぶのならそれでいいわ。でもまずは……店主さん!」
 そこで依姫は店主である霖之助を呼ぶ。
「何だい?」
 呼ばれて霖之助が向かってきながら聞いた。
「この店に試着室はあるかしら?」
 それが論点であった。いくら見た目が気に入ろうとも、ちゃんと本人が着られる物でなくては意味がないのだから。
「ああ、こっちにあるよ」
 そう言って霖之助は二人を案内したのだった。

◇ ◇ ◇

「どうですか、依姫さん?」
 そう言って勇美は着替えて試着室から出て来たのだ。和服だから着付けが面倒だろうと依姫は踏んだのだが、勇美は難なく着てしまったようだ。サイズも丁度良い具合であった。
「……」
 依姫は無言だった。それに対して勇美は不安を覚える。
「もしかして、似合ってないとか?」
「いいえ、その逆よ。とても似合っているわ」
 勇美に言われて依姫は慌てて首を横に振った。
 依姫が暫し呆けていたのは、似合いすぎていたからであった。
 勇美の艶やかな黒のショートヘアと黒いカラーリングは見事にマッチしていたし、彼女のやや小柄な体躯と、悪戯っぽく短い丈から生えるスラリとした脚線が妙に相性が良かったのだ。
「うん、僕も可愛いと思うよ」
 試着室の前で待機していた霖之助も賛同して言った。
「二人とも……ありがとうございます」
 褒められて嬉しくない者はいないだろう。勇美もその例に漏れず嬉しくなるのだった。
「依姫さん、これを着ながらマッくんを発動させていいですか?」
「ええ、いいわ」
 寧ろ依姫もそれを見たかったのだ。和服を
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