第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第7話 探求の心
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。
そして永琳はしれっと答える。
「こういう事もあろうかと、月ロケットを偵察に行った時に超小型のカメラ付きの偵察機を忍ばせておいたから。今でもあなたの側にいるわよ」
そう依姫は言われてはっとなった。そして見つけたのだ、確かに彼女の側に飛び交う虫型の機械が確認出来たのだ。
「はああっ!」
それを確認するや否や、依姫が行動するのは速かった。彼女は鞘から即座に刀を抜くと、目にも止まらぬ速さで虫型偵察機を一刀両断したのだ。パキンと切ない音と共に偵察機の生涯はそこで終わった。
「八意様、何Dr.ゲロみたいな事してるのですか……」
依姫は頭を抱えながら突っ込みを入れた。
「ふふっ、依姫もまだまだね」
「いえ、あんな得体の知れないのに気付けって方が無茶ですよ……」
全く八意様は……依姫はそう思うしかなかった。
「でも、勇美に見せる事に対しては問題ないのでしょう」
と、永琳が言う。
「ええ、あの子には私の事を包み隠さずに見てもらって、それから判断してもらった方が良いわね」
そう依姫も同意するのであった。
「でも、私の事を映画を観る感覚で知ろうとするのはどうかと思いますが」
だが、それだけは譲れないのだった。
◇ ◇ ◇
一方、試写室に勇美はいた。ポップコーンとコーラは持ったので、観賞……もとい、依姫の事をより知る為の準備は万端なのであった。
そして勇美は投影機のスイッチを入れたのだ。そう、テレビではなく投影機である。映画感覚で観るというのは勇美の悪ふざけであるが、そうなるように仕向けた永琳の故意犯でもあったのだ。
そのような思惑がある中、とうとう投影機から映像が流れ始めたのだった。
そして、映し出されたのは波飛沫であった。
(そうか、依姫さんは月では確か砂浜で戦ったんだっけ……)
そう勇美は納得するが、徐々に異変に気付いてきた。
映像にあるのは砂浜ではなく岩場であったのだ。そして段々勇美は勘づき始めてきたのだ。
(これって、映画で良く見るアレじゃないの……!?)
そして大体の予想を勇美が付けた所で、『それ』は現れたのだった。
『東宝project』
やはりパクりだった。しかも小ネタまで利かせなくていいと勇美は項垂れたのだ。
そんな不条理な光景を生み出しつつも、投影された画面は暗転したのだ。
そして映し出されたのは、今度こそ本当に月の、豊かの海の砂浜であった。
「今度こそ大丈夫だよね」
勇美はそう言い、気を取り直す事にしたのだった。
そこに映し出されていったのは、かつて依姫が月ロケットでやってきた者達にしたやり取りが嘘偽りないありのままのものであった。永琳の事だから特撮とかCGとか入れて脚色しているのではないかという懸念もあったが、それはどうやらきゆうで終わったよ
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