第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第6話 毒VS鋼:後編
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
勇美にとっての初の弾幕ごっこ。それは『エルメスの靴』の力を発揮したマックスによって彼女の優勢に進んでいたのだ。
だが、先程までメディスンを翻弄し多大な活躍をしていたマックスがショートを起こしていた。
一体何が!? 勇美はそう思ってマックスを隅々まで見た。すると、いつの間にか彼の体に深々と刀身が真っ黒に塗られたナイフが刺さっていた。
そしてマックスはその場で支えを失ったかのように倒れ込むと、地面に激突して派手に金属の破片を撒き散らして砕けたのだ。
「うっ……」
更に自分の分身を解体された事により、勇美本人にもダメージがフィードバックされた。
「一体何が……?」
ダメージに耐えつつも、状況が飲めず疑問を口にする勇美。
「【暗殺「デスポイズン」】……」
メディスンが戦慄する勇美に答えるように、スペル名を言ってのけた。
「最近編み出したばかりのスペルだから、後に取っておきたかったんだけどね。あんな攻撃するような奴に出し惜しみは出来ないからね」
メディスンは微笑を浮かべながら淡々と言う。
「マッくんに何をしたの……?」
「このデスポイズンはね、ナイフ型の毒を生成するスペルなのよ。そして刺さった相手は『命を奪われる』事になる、文字通り『死の毒』よ」
「な、なんですってー!?」
「はいはい、落ち着いて。そんな地球外勢力に立ち向かう漫画みたいなあからさまに大げさなリアクションしないで」
折角格好良くスペルの説明を決めようと思っていた矢先に、勇美に水を指されてやるせない気分にメディスンは陥っていた。これじゃあ、憂鬱になってるのは私じゃないのよと心の中で自虐していた。
「安心しなさい、これは生き物の命を奪いえるような毒ではないから。だけど、生き物じゃない物の命は刺さったらそこで終わるから気を付けるようにね」
「つまり、物に刺せばそれだけで壊す事が出来るって事?」
「平たく言えばその通りね」
「……厄介だね」
勇美は顔に冷や汗を浮かべて、正直に驚異である事を打ち明けた。
それを見ていた永琳は感心していた。
「驚いたわね、あんなスペルは今まで見た事がなかったわ。うん、腕を上げたのね」
しみじみと感慨深く呟く永琳。
「だけど、それは同時に勇美ちゃんにとって運が悪かったって事ね。さて、ここからどう切り抜けて見せるのかしらね?」
◇ ◇ ◇
「さあ、さっきの厄介なダチョウもやっつけた事だし、このまま攻めさせてもらうわよ!」
再び自分のペースに引き込んだメディスンは、興に乗っていた。そして勢いよく息を吸い込み始めた。
「【毒符「ポイズンブレス」】!」
新たなるスペルの宣言をするメディスン。それに続いて先程吸い込んだ息を少しずつ吐き出したのだ。
すると彼女の口から毒が勢いよく噴射され始めた。そ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ