第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第6話 毒VS鋼:後編
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。
「くっ!」
迷わず勇美は水銀刀を再び鞭のようにしならせ、その攻撃を弾いたのだ。
「シャアアッ!」
だが暴走状態となったメディスンはそれで止まる事はなかった。怯む事なく第二撃が放たれる。
しかし、勇美もめげる事はなかった。彼女も銀色の蛇の刃を巧みに捌き、黒い刃との打ち合いを何度も行っていった。
ホームランのような小気味良い音が続けて奏でられていった。だがそれも終わりを迎える事となる。
キィィンと一際甲高い音が鳴ったかと思うと、メディスンからデスポイズンが弾かれ手から離れたのだ。
「やった……」
勇美はその手応えに思わず呟いた。しかし。
「あれっ……?」
勇美の手により暴れていた水銀刀が砂のようにパラパラと崩れていくではないか。見ればメディスンの手から離れたデスポイズンが巧みにそれに刺さっていたのだ。
そして水銀刀は完全に砂と化してしまったのだ。すると支えの無くなったデスポイズンは地面に落ちると、自分の役割は終わったと言わんばかりにぶくぶくと泡を吐き出しながら溶けてしまった。
「相討ちみたいね……」
その声はメディスンのものだった。
「メディスンちゃん、元に戻ったんだねぇ〜」
思わず嬉し泣きする勇美。
「……何も泣く事はないでしょ?」
「だって怖かったんだもん」
呆れるメディスンに対して勇美は反論する。
(イントゥデリリウムを自分に使ってどうなっているか自分で確認した事ないけど、そんなに怖いのかな……)
少し反省するメディスン。
「だけど、これで仕切り直しには違いないよね」
「うん、そうだね」
その事を互いに確認し合う二人。
「私のスペルも残り一つだし、あんたも体力は限界だろうし、多分次で最後になるわね」
「……そうだね」
メディスンに指摘されて、勇美はその通りだと痛感した。刃の鞭は刀を振るうよりは力が要らないものの体力を使う事には変わりなかったし、自分の分身であるそれを破壊された事でダメージも負ったのだから。
「だけど、確実に後がない私から行かせてもらうからね!」
そう言ってメディスンは両手を広げて予備動作を行った。
「【霧符「ガシングガーデン」】!!」
そしてメディスンのこの勝負最後のスペルが宣言されたのだ。
するとメディスンの体から毒の霧がジェット噴射のように吹き出してきた。
「凄い……」
その目を引く光景に呆気に取られる勇美。
「驚くのはまだ早いよ!」
そう言うメディスンの体からは、更に止めどなく毒霧が溢れ出していったのだ。
そして気付けば大庭園が丸ごと、悪趣味な色の霧に覆い尽くされていた。
「この毒で私をなぶる気でしょ! エロ同人みたいに!」
「いや、そんな同人漫画余りないって……」
毒霧を出し終えたメディスンだが、疲労感の原因
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