第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第6話 毒VS鋼:後編
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してその勢いは留まる様子はなかった。
「うわっ!」
当然その光景に勇美はうわずった声を出して驚いてしまう。そんな最中にも容赦なく毒の息は濁流の如く彼女に迫っていたのだ。
(どうすれば……?)
絶体絶命の勇美。だがそこで、自分に新たな道標を与えてくれた依姫の事を思い起こしてみた。
(こんな時、依姫さんならどうする……? そうだ!)
勇美はそこで何か妙案を思いついたようだ。
「石凝姥命よ、やたの鏡の力を私に貸して下さい!」
「!?」
これには依姫は驚いた。自分が力を使った石凝姥命をこのタイミングで勇美も借りるのかと。
「何をする気!?」
「マーキュリー様よ、やたの鏡の力を受けて、新たなる加護を見せて下さい!」
勇美はメディスンの質問には直接答えずに唱えた。
「【水鏡「ウォーターベール」】!!」
その勇美の宣言に続き、彼女の周りに水の膜のドームが現出したのだ。
そしてメディスンのポイズンブレスがそこに当たった。
「そんなチャチな膜、このポイズンブレスが破ってあげるわよ!」
意気込むメディスン。だが一行にポイズンブレスはその水の盾を突破する事はなかったのだ。
ぶよぶよとスライムのように変幻自在に毒を受け止め、主である勇美の元へは断じて行かせまいとしているかのようであった。
「くっ、打ち止めね……」
そして、とうとう毒の流動は止まった。勇美と彼女が借りた二柱の神の力がこの我慢比べに勝ったのだ。
「やったー、持ちこたえたよ。石凝姥命、やたの鏡の力ありがとうございました」
勇美は危機を乗り切らせてくれた石凝姥命を労い送還した。
「神の力の複合……驚いたわね」
勇美の奮闘を見守っていた依姫は目を見張っていた。確かに自分も神の力を同時に借りる事は出来る。だが、それを勇美が初の弾幕ごっっこでやってのけ、更に自分流に力の使い方をアレンジした、その事に依姫は驚きを隠せないのだった。
そして、勇美を守っていた水のバリアは役目を終えたと言わんばかりに溶けるように掻き消えていったのだ。
「これで、ドローだね」
「そうね」
お互い猛攻を阻止し合って、勝負は振り出しに戻ったのだ。両者ともダメージを受けている事を考慮してでもある。
「じゃあ、次は私から行くね!」
そう宣言したのは勇美であった。そして呪文を唱え始めた。
「マーキュリー様、私に水のように変幻自在な刃を貸して下さい」
勇美が言い終わると、彼女の手から液体が吹き出し始めたのだ。それも鮮やかな銀色をしたものが。
それは飴細工のようにどんどん引き延ばされていくと、勇美の手に刀の形になって握られていたのである。
「【曲符「水銀刀」】……」
そして勇美は自分が作り出した武器の名称を言った。
「刀……ね」
その得物を見ながらメディスン
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