第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第5話 毒VS鋼:前編
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「! 自分の戦闘手段を壊すなんて何考えてるのよ!?」
初めて『それ』を見るメディスンは、思わず取り乱してしまった。
「まあ、慌てないでね」
諭すように言う勇美。それに続くかのように分解された筈の機械の断片が再び集まってきたのだ。
段々と形作られていったそれは、形容し難い様相をしていた。例えるなら、ダチョウの長い脚を更に長く引き延ばし、首の部分を排除したものをイメージしてデザインされた機械のようであった。そして、首が生えているべき箇所からは、砲門が一つ備え付けられている。
「変型した……」
その目を引く現象に、メディスンは狐につままれたように呆けていた。
「そう、変型だよ。これが私の機械を生成し、変型させる能力ってわけ。じゃあいくよ」
屈託のない表情で勇美は説明し終わると、続けてスペル宣言を行った。
「【速符「エルメスの靴」】!」
勇美の宣言を受けると、歪な金属のダチョウとなったマックスはその逞しい脚を一気に振り上げた。するとメディスンが放った毒の蜂の群れは、呆気なくその一撃で消し飛んでしまった。
「ええっ!?」
当然メディスンは驚いてしまった。だが、気を持ち直して言う。
「だけど、神経の毒はどうするのさ? これがある限りあんたは自由に動き回れないんだからね!」
「それも大丈夫♪」
その指摘を受けても、勇美は余裕の表情であった。
「エルメスの靴の真骨頂はこれからだよ! 頼んだよ、マッくん!」
そう勇美が合図をマックスに送ると、彼はダンッと勢い良く地面を踏み締め、そして駆け出したのだ。
(速いっ!)
メディスンはそのマックスの速度に驚愕するが、まだ状況は自分の方が有利だと認識していた。
「いくら速くても、神経の毒を踏んだら意味がないよ!」
「問題ないよ、見ててね」
言うと勇美はマックスに更に命令を送った。刹那、陶器が割れるような耳障りな音が大庭園に響き渡ったのだ。
「? 何があったの……って、あっ!?」
音がした後にメディスンが確認すると……、そこには強靱なマックスの脚で踏み砕かれ、粉々になった神経の毒があったのだ。
「気付いた? この『エルメスの靴』に掛かれば毒の地雷なんて屁でもないんだよ。さあマッくん、一気に畳み掛けちゃって!」
勇美に司令を送られたマックスは勢い付いて辺りを俊敏に駆け回り始めた。
それにより次々に踏み砕かれる神経の毒。更にマックスの猛攻はそれだけに留まらなかったのだ。
「マッくん、ビーム発射!」
勇美の言葉を受けて、マックスの砲門からエメラルドグリーンのビームが撃ち出されたのだ。そして見事にメディスンに命中する。
「きゃっ!」
攻撃を受けて、メディスンは思わず悲鳴をあげてしまった。
そして機械ダチョウ マックスの猛攻は続いていった。俊足で駆け
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