第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第5話 毒VS鋼:前編
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たのだ。そして、憂鬱の毒の一つに命中して弾き飛ばした。
憂鬱の侵食は直接触れた時に起こる。ならば遠くから打ち落としてしまえばいいのだ。それに続いて二つ目、三つ目と、次々に魔性のシャボン玉を撃墜していったのだ。
遂に憂鬱の毒は全てマックスのナイフの投擲によって攻略されたのだ。そして……。
「どう? 私の初のスペルカードのお味は?」
そう、勇美にとって最初のスペル宣言となったのだ。
「やるわね」
メディスンは素直にそう言った。そして言葉を続けた。
「それなら私からも質問するね。どう? 初めてのスペル宣言の感想は?」
「あ、はい」
質問を返されるとは思っていなかった勇美は、一瞬どもってしまうが、すぐに続けた。
「『チョー気持ちいい』、『もしくはンギモッヂイイ』……です♪」
「はいはい、要するに気持ちいいって事ね……」
メディスンは頭を抱えてしまった。言い換えているが、言っている事は同じだから。しかも、二つとも何かのパクりだったからである。
その様子を見ていた依姫も同じく頭を抱えていた。だが、その一方で別の思惑も芽生えていたのだ。
(ナイフ使い……か)
そう、かつて月で戦ったメイドの事を思い出していたのだ。あの戦いで依姫は実は弾幕ごっこのルールである『隙間のない攻撃をしてはいけない』というものを不本意ながら破る形となって、反則勝ちとなったのだ。
だから、彼女とは再び戦わなければいけないのだ。それが依姫が地上と関わる事に決めた理由の一つなのである。
そして、勇美の視点へと戻る。
「もう憂鬱の毒は一掃しましたよ。次はどうするんですか?」
自信あり気に勇美は言った。初めてのスペルカード発動を決めて、興が乗ってきたようだ。
「スペル一つ攻略したからっていい気にならない事ね。お次はこれよ」
メディスンが言い返し、そして第二のスペル宣言をする。
「【毒符「神経の毒」】!」
その宣言をすると、メディスンの周りに黄色いボールのようなものが現出し始めた。
それは幾何学的な様相をしていて、まるでウィルスの模型のようであった。もしくは……。
「あっ、モ○ッとボール♪」
勇美は高らかに指摘した。そう、形容するならそれが一番てっとり早かったのである。
「随分懐かしい例えを持ち出すわね……」
メディスンは呆れた。解答者が出題内容の巧みな罠にはまったりして気分が曇った時に穴に投げられて、番組の最後にまとめて司会者の頭上に叩き落とされたそれも、今となってはいい思い出である。
「ま、まあ、取り敢えず行きなさい。私の『神経の毒』達!」
そしてメディスンの司令を受けた刺々しい球体は、その命令に忠実に勇美目掛けて襲いかかっていったのだ。
「なんの! もう一回ナイフで叩き落としてあげるまでだよ!」
対する勇美
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