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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
揺籃編
第十九話 巣立ちの準備
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んでくるんだ?」
「……」
「生きのいい奴は嫌いじゃないが、少ししつこくないか?少し休憩しようぜ」
「もう一戦やってからだ!」
「…ヤマト、替わってくれ。なんか飲んでくるわ」
「…了解。よし、いつでもいいぞ」
確かに奴は頑張っている。学年首席は伊達じゃない。同じ学年と試合している時は八割くらいの勝率を維持している。あ…負けた。


5月10日 自由惑星同盟軍士官学校、野戦演習場 ヤマト・ウィンチェスター

 「下半身ががら空きだぞ。ほら、もう一回だ」
「くそっ!!」
「…今のは中々良かったぞ…よし、時間だ。ありがとうございました」
「…ありがとうございました…」

 俺達は三年生、君も二年生になったことだし、もうそんなに目の敵にしなくてもいいんじゃないか、フォーク君。
でも…アニメのイメージと違うんだよな、目の前にいるフォークは多少性格は悪いが、頑張り屋の優秀な奴だ。それが何でああなった?
「おーい、マイク」
「やっぱ格闘は楽しいよな…なんだ?」
「今日の外出、何か予定あるか?」
「ないよ。オットーも酒飲みに行くくらいじゃないか?」
「スールズに言ってさ、フォーク呼び出せないか?」
「スールズ?…ああ、ズカリッターか。呼び出せるだろうけど、来るかな?」
「スールズも一緒なら来ると思うけど、珍しいな?説教でもすんのか?」
「内容はどうあれ、俺達と奴は結構親密な間柄だろ?たまには一緒にメシでもどうかと思っただけさ」
「ふーん。まあ暇だしいいか」



5月10日19:00 バーラト星系、ハイネセン、テルヌーゼン市、ウーズヴィル5番街
パブレストラン「ラシュテ」 ヤマト・ウィンチェスター

 「このようないかがわしい場所に出入りしていたとは…将官推薦の名が泣きますよ、先輩方」
おい、やめろ、というスールズカリッターの制止にも耳を貸さず、フォークは言葉を続ける。
「後輩を呼びつけて私的制裁でもしようというのですか?これだから下士官あがりは」
「フォーク、お前な…」
「ほっとけオットー、俺たちは向こうで飲もうぜ、ほら、ズカリッターもこっちだ」
「ダグラス先輩、妙な略し方は止めてくださいよ…」

 マイク、気を利かせてくれたのか。お前は本当にいい奴だ。
「私的制裁なら店に呼び出す訳ないだろう?まあ座れよ、何飲む?」
「ジェイムスンを」
「じゃマスター、俺も同じやつを……乾杯」
「…乾杯」
「初めて飲んだけど、悪くない」
「…それで、ご用は?」
「用が無きゃ誘っちゃいけないのか??俺達は編入だし、アッテンボロー先輩は卒業してしまったから、士官学校の中で濃い付き合いがあるのはお前とスールズカリッターくらいなもんだからな、一緒にメシでも、と思っただけだよ」
「…敵に塩でも送ったつも
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