暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・51
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ね、かけてもらえる?」

「へいへい」



(紅茶のクグロフ)

 これもパウンドケーキとかシフォンケーキなんかで良くやるよな。生地に紅茶の茶葉を練り込んだ。紅茶の風味を殺さない為に、ナッツ類やドライフルーツは無しだ。

「……まぁ、普通に美味しいわよね」

「安定感のある味だよな」




(チョコレートとオレンジのクグロフ)

 定番っちゃ定番か。生地にチョコレートを刻んで練り込み、ドライフルーツのオレンジも刻んで投入。

「バレンタインに良さそうね」

「……もう過ぎたから来年、だな」 




(和風クグロフ)

 これもアレンジとしては定番の類いか?生地に抹茶と白餡を練り込み、ドライフルーツの代わりに黒豆の甘煮と刻んだ栗の甘露煮を混ぜて焼き上げた。

「日本人ってこういうの好きよね」

「お前は嫌いか?リシュリュー」

「いいえ、和菓子好きなのよ?私も」

「さよか」






「……ふぅ、少し食べ過ぎちゃったかしら?」

 紅茶を啜りながら、リシュリューがお腹をさすっている。小さめの型で作ったとはいえクグロフを7つはどう考えても食べ過ぎだろう。

「どう考えても食い過ぎだろ。別に無理して食べんでも……」

「うっ、煩いわね!貴方が私に作ってくれた物でしょ!?だったらそれはもう私の物よ、それを私がどうしようと勝手でしょ!?」

「いや、まぁ、そりゃそうだが……」

「それに……」

「ん?」

「貴方が私の為に作ってくれた物を、残したくなかったのよ……」

 消え入りそうな声で、顔を赤くしながらそう呟くリシュリュー。その右手は無意識に左手の薬指を触っていた。

「リシュリュー、お前……」

「なによ?」

「わっかりやすいツンデレだなぁ」

「はぁ!?だ、誰がツンデレよ!」

「いや、だからそういう所だって」

「ちょっと!ふ・ざ・け・な・い・で!」

 そう言いながらおれの頬を引っ張ってくるリシュリュー。こういう態度が着任直後のビス子っぽいんだよなぁ、コイツ。まぁ今じゃあビス子の奴はツンが取れてデレがマシマシのデレッデレなんだが。

「ちょっと貴方、今他の女の事考えてたでしょ!?」

 ほらな。こういう勘が鋭くて嫉妬深い所とかそっくりだ。まぁ、そこがまた可愛いんだが。



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